最近、スマホの文字が見づらくなったり、本を読むときにピントが合いにくくなったりしていませんか?「もしかして老眼かも…?」と感じ始めたとき、まず気になるのがこれからの視力との向き合い方ですよね。
そこで今回ご紹介するのが、遠くも近くも自然に見える「マルチフォーカルコンタクトレンズ」。 遠近両用メガネはちょっと抵抗があるし、そもそもコンタクトにそういうタイプがあるのかもよく分からない——そんな方におすすめです。
この記事では、マルチフォーカルレンズの基本から、自分に合う種類の選び方、失敗しない購入のポイントまでをわかりやすく解説しています。ぜひこの記事を参考に、自分にぴったりのコンタクトレンズを見つけてみてください。
マルチフォーカルコンタクトレンズとは?
「最近、近くの文字がぼやける…」そんな変化を感じ始めた方に選ばれているのが、マルチフォーカルコンタクトレンズです。これは遠くも近くも自然に見えるよう設計された、いわゆる“遠近両用コンタクト”のひとつです。
まずは基本的な見え方の仕組みや、似たような名前との違いについて見ていきましょう。
遠近両用コンタクトとの違いは?見え方の仕組みをやさしく解説
「遠近両用」と「マルチフォーカル」、呼び方は違いますが、どちらも遠くと近くを1枚のレンズで見られるコンタクトレンズです。
ただ、見え方の“自然さ”や“構造”に少し違いがあります。
▼遠近両用コンタクトとマルチフォーカルの違い
項目 | 遠近両用コンタクト | マルチフォーカルコンタクト |
焦点の数 | 2つ(遠くと近く) | 複数(遠・中・近) |
見え方 | 焦点を切り替えて見る | 視線の移動で自然にピントが合う |
設計 | 二重構造やセグメント分離型 | 同心円やグラデーション型が主流 |
遠近両用コンタクトは「2つの距離を切り替えて見る」感覚に近いのに対し、マルチフォーカルは「目線を動かすだけで距離が自然に変わる」のが特徴です。
レンズの中に焦点が滑らかに配置されているため、パソコン、スマホ、遠くの看板までシームレスに視界を切り替えられるのがうれしいポイントです。
メガネと比べたときのメリット・デメリット
「コンタクトとメガネ、どっちが自分に合っているんだろう?」と悩む方も多いですよね。ここでは、マルチフォーカルコンタクトと遠近両用メガネの違いをわかりやすく比較してみましょう。
▼マルチフォーカルコンタクトとメガネの比較
比較項目 | コンタクト | メガネ |
見た目 | 外見に影響がない | 老眼鏡と気づかれやすい場合も |
視線の動き | 目線を動かすだけでピント調整 | レンズの位置によって見え方が変わる |
使用感 | 裸眼に近い視界で動きやすい | かけ外しや曇りが気になることも |
メンテナンス | ケアや交換が必要 | 簡単に拭いて使える |
どちらもそれぞれの良さがありますが、「自然な視界」「見た目の変化がない」「動きやすさ」などを重視するなら、マルチフォーカルコンタクトがぴったり。
一方、手軽さやコスト面ではメガネに軍配が上がることもあります。どちらが合うかは、自分のライフスタイルや優先したいこと次第です。
マルチフォーカルコンタクトレンズが選ばれる理由は?
マルチフォーカルコンタクトは、年齢に関係なく「自然な見え方を保ちたい」というニーズに応えてくれるレンズです。
多くの人に選ばれている理由には、視力の矯正だけでなく、使う人の気持ちに寄り添った工夫があります。
▼マルチフォーカルコンタクトが選ばれる理由
- 視界の切り替えがなめらかで自然
- 装着しても見た目が変わらない
- 外出先や運動時もストレスフリー
- スマホや本など、手元が見やすくなる
- 年齢を感じさせないアイケアができる
特に最近は、在宅ワークやスマホの使用時間が増えていることもあり、中間距離の快適さが重視される傾向があります。マルチフォーカルは、そうした日常にぴったり寄り添ってくれる存在なのです。
こんな人におすすめ!マルチフォーカルコンタクトが合うのは?
「マルチフォーカルコンタクトって、自分にも必要なのかな?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、マルチフォーカルがぴったり合う方の特徴や、どんな人に向いているかをやさしく解説します。
近くも遠くも見えにくい
最近、スマホの文字が見づらく感じたり、本を読むときに少し離して読むクセがついてきたりしていませんか?それ、もしかすると加齢による“老視”のサインかもしれません。
▼老眼のはじまりに気づくサイン
- スマホを顔から離して見るようになった
- 本や新聞の文字がぼやけて感じる
- パソコン作業のあと、目が疲れやすい
- 明るさが足りないと文字が読みにくい
- 夜になるとピントが合いにくくなる
これらの変化は、誰にでも起こる自然なものです。特に40代前後から現れやすく、放置すると生活の中でストレスを感じやすくなります。
そんなとき、遠くも近くも快適に見えるマルチフォーカルコンタクトは、年齢による視力の変化をサポートしてくれるのです。
遠近両用メガネに抵抗がある
「老眼鏡をかけるのはちょっと…」と感じている方、意外と多いのではないでしょうか?見た目や年齢を意識して、遠近両用メガネに抵抗がある方にも、マルチフォーカルコンタクトは自然に取り入れやすい選択肢です。
▼こんな方にぴったり
- 老眼鏡をかけることに抵抗がある
- メガネをかけると老けて見える気がする
- メイクや髪型にメガネが干渉してしまう
- 会話や商談でメガネを外したくなることが多い
- スポーツや外出時にメガネが邪魔になる
マルチフォーカルコンタクトなら、周囲に気づかれずに視力矯正ができるため、自然体のまま毎日を過ごせます。見た目への影響を気にせず、「まだ老眼鏡は早いかも…」と感じている方にもフィットしやすいのが魅力です。
ライフスタイルで見る、マルチフォーカルとの相性は?
目の使い方は、仕事や生活スタイルによって大きく変わります。マルチフォーカルコンタクトは、視線の移動でピントが自然に合うため、日常のさまざまなシーンで活躍してくれます。
▼マルチフォーカルが活躍するシーン
シーン | どう役立つ? |
デスクワーク | モニター・書類・人の顔まで視線移動でスムーズ |
買い物・外出 | 値札や商品棚もストレスなく見える |
子育て中 | 手元のケア用品から遠くの子どもまで一目で確認 |
趣味(読書・手芸など) | 細かい作業も裸眼感覚で快適 |
会話や接客 | 自然な視線移動で相手の顔や資料に素早く対応 |
このように、マルチフォーカルは「近く」と「遠く」の切り替えが多い日常にぴったり。メガネの上げ下げや視点の切り替えに気を取られず、目の動きだけで視界がついてきてくれる心地よさがあります。
種類で選ぶ!マルチフォーカルコンタクトレンズのタイプ比較
マルチフォーカルコンタクトレンズと一口にいっても、素材や使い方のスタイルにはさまざまな種類があります。自分に合ったタイプを選ぶことで、装着感や見え方、使い勝手がぐんと快適になります。
ここでは、主なタイプの違いや選び方のポイントをわかりやすく解説します。
ハード・ソフトの違いと選び方のポイント
コンタクトレンズには「ハード」と「ソフト」の2種類があり、マルチフォーカルタイプにもそれぞれ用意されています。それぞれに特徴があり、どちらが合うかは目の状態や生活スタイルによって異なります。
▼ハードとソフトの比較表
特徴 | ハードレンズ | ソフトレンズ |
素材の硬さ | 固くて形が安定 | 柔らかくてフィットしやすい |
酸素透過性 | 高い(目にやさしい) | 製品によって差がある |
慣れるまでの時間 | やや時間がかかる | 比較的すぐ慣れる |
装着感 | 違和感を感じやすいことも | 裸眼に近く自然 |
ケア | 手間がかかる | ワンデーなら手間なし |
ハードレンズは視力矯正力が高く、乱視が強い方に向いています。一方ソフトレンズはフィット感が良く、違和感を感じにくいのが魅力です。
目の形や普段の生活に合ったタイプを選ぶことで、無理なく使い続けることができます。
使い捨て?定期交換?生活スタイル別に選ぶ
マルチフォーカルコンタクトレンズのソフトタイプには、主に「1日使い捨てタイプ(ワンデー)」と「定期交換タイプ(2週間・1ヶ月など)」があります。
どちらを選ぶかは、日常の過ごし方やケアにかけられる時間によって変わってきます。
▼レンズの種類別・おすすめのライフスタイル
レンズの種類 | こんなライフスタイルにおすすめ |
ワンデータイプ(1日使い捨て) | ・毎日ケアの時間が取れない ・たまにしか使わない ・出張や旅行が多い |
2週間交換タイプ | ・毎日装用する ・コストを抑えたい ・ケアに抵抗がない |
1ヶ月交換タイプ | ・レンズに慣れていて長く使いたい ・装用時間が長め ・ケアが習慣になっている |
ケアが面倒な方にはワンデータイプ、コスパを重視する方には定期交換タイプがおすすめです。ライフスタイルに合ったタイプを選ぶことで、使い続けやすく、目にも負担をかけにくいコンタクト生活を送ることができます。
自分に合うのはどれ?代表的なメーカーの特徴まとめ
各メーカーからマルチフォーカルコンタクトが発売されており、特徴もさまざまです。どれを選べばいいのか迷う方のために、代表的なメーカーの傾向を簡単に整理しました。
▼主なメーカーのマルチフォーカルの傾向
メーカー名 | 特徴・傾向 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | なめらかな装着感と自然な見え方が好評 |
アキュビュー(ジョンソン・エンド・ジョンソン) | ワンデー中心で、目の乾燥に配慮 |
ボシュロム | 中間距離の見やすさに定評あり |
アルコン(デイリーズ トータルワンなど) | 装着時のうるおい感と高い酸素透過性 |
メニコン | ソフトレンズ(マルチフォーカル含む)やハードレンズの種類が豊富で眼科提携が強み |
レンズの設計や素材感はメーカーごとに異なるため、装着感や見え方の好みが分かれることもあります。自分の目に合うレンズを選ぶには、「人気」よりも「自分にとっての快適さ」が何より大切です。
失敗しないためのマルチフォーカルコンタクト選び
マルチフォーカルコンタクトレンズは、種類も多く、見え方の感じ方にも個人差があります。だからこそ、「なんとなく」で選ぶのではなく、自分に合った方法でしっかり試して選ぶことが大切です。
ここでは、失敗しないためのレンズ選びのポイントを順を追ってご紹介します。
コンタクトレンズ専門の眼科で相談する理由
マルチフォーカルコンタクトを初めて使うなら、まずは眼科での相談が安心。一般的な視力検査だけではなく、老視の進行度や目の状態に合った処方が必要になるため、専門的な知識を持つ医師に相談することが大切です。
▼眼科で相談するメリット
- 自分の目の状態を正しく把握できる
- 老視や乱視など、複合的な視力に対応できる処方が可能
- 初期トラブル(見えにくさ・違和感)へのアドバイスがもらえる
- レンズの装用トレーニングや使い方の説明が受けられる
- 必要に応じてトライアルレンズを処方してもらえる
マルチフォーカルレンズは、「ただ度数が合えばよい」というものではありません。焦点の位置や慣れやすさも重要なポイントです
トライアルレンズの試し方と選び方のコツ
マルチフォーカルコンタクトは、実際に試してみないと「見え方」や「つけ心地」がわかりにくい製品です。そこで活用したいのが、眼科や販売店で提供されているトライアルレンズ(お試しレンズ)です。
▼トライアルレンズの活用ポイント
- 無料または低価格で数日〜1週間ほど使える
- 実際の生活の中で装着感や見え方を確認できる
- 見えにくさや違和感があれば再調整も可能
- 眼科でアドバイスをもらいながら納得して選べる
選び方のコツは、「違和感がないか」だけでなく、「日常生活で困らないか」に注目することです。たとえば、スマホを見るときにぼやける、車の運転時に遠くが見えづらいなど、シーンごとの見え方を意識してみると、自分に合うレンズが見つけやすくなります。
通販と店舗購入、それぞれのメリットと注意点
レンズが決まったら、次は「どこで買うか?」を考える必要があります。購入方法には、主に通販サイトと眼科併設の店舗・専門店があり、それぞれにメリットと注意点があります。
▼マルチフォーカルレンズの購入方法の比較
購入方法 | メリット | 注意点 |
通販 | ・価格が安い ・自宅で注文できて便利 | ・処方にズレがあると失敗しやすい ・初期相談ができない |
店舗(眼科併設や専門店) | ・専門スタッフのアドバイスが受けられる ・その場で試せる | ・通販より価格が高めになることもある ・通院の手間がある |
通販は手軽で便利ですが、特に初めての方や老視が進行中の方は、眼科併設の店舗や専門店での購入が安心。視力の変化に応じて、レンズの再調整や相談がすぐにできるのは大きなメリットです。
慣れてきてから通販を活用するのもひとつの方法ですが、最初の購入は慎重に、サポート体制が整った場所を選ぶのが安心です。
快適に使うためのケアと長持ちのコツ
マルチフォーカルコンタクトレンズを快適に使い続けるためには、毎日のケアや装着時の工夫、保存方法までしっかりと意識することが大切です。
ここでは、レンズを清潔に保ち、快適さをキープするための基本的なポイントをご紹介します。
正しいお手入れ方法とやりがちなNG行動
コンタクトレンズのお手入れは、「慣れてきた頃」にミスが起こりやすいもの。毎日のルーティンでも、正しい手順と注意点を押さえておくことが大切です。
▼正しいお手入れと避けたいNG行動
お手入れポイント | 内容 |
手を清潔に洗う | 石けんでしっかり洗い、清潔なタオルで拭く |
レンズはこすり洗いが基本 | 保存液を使って毎回やさしくこする |
専用の保存液を使う | 水道水やぬるま湯は絶対NG |
ケースも毎日洗って乾燥 | レンズだけでなくケースの清潔も大切 |
使用期限は守る | 決められた交換サイクルを遵守する |
慣れてくると、「昨日の保存液をそのまま使ってしまった」「洗わずにケースへ戻した」など、小さな手抜きが起こりがちです。
でも、レンズは直接目に入れるもの。ちょっとした油断が、目の不調やトラブルにつながることもあるので、清潔を保つ意識を忘れずにいたいですね。
乾燥やゴロつきを防ぐ装着中の工夫
「夕方になると目が乾く」「レンズがゴロゴロして気になる」そんな悩みを感じたことはありませんか?乾燥や異物感を防ぐには、装着中のちょっとした工夫が効果的です。
▼装着中の快適さを保つコツ
- エアコンの風が直接当たらないようにする
- こまめに瞬きを意識する
- パソコンやスマホの画面は目線より少し下に配置
- 目が乾きやすいときは低刺激の人工涙液を活用
- レンズが合わないと感じたら我慢せず眼科へ相談
特にマルチフォーカルレンズは、目線の移動でピントを合わせる設計のため、乾燥やゴロつきがあると見え方にも影響しやすくなります。装着中の快適さを保つためには、目にやさしい環境を整えることが大切です。
衛生的に長く使うための保存・管理のポイント
レンズの保存や管理も、快適さと安全性を保つうえで欠かせません。毎日何気なく行っていることでも、正しく行うことでトラブルを防ぎ、レンズの性能をしっかり維持できます。
▼保存・管理で気をつけたいこと
- 使用後は毎回新しい保存液に交換する
- ケースは週1回以上は交換する(※)
- ケースのふたもしっかり乾かして清潔に保つ
- 旅行や外出時には保存液とスペアレンズを忘れずに
- 高温多湿を避けて保管する(洗面所や車内などは避ける)
(※)ソフトレンズのケースは1.5〜3ヶ月に1回、ハードレンズのケースは6ヶ月〜1年に1回交換する
レンズを快適に使い続けるには、保管環境の見直しも重要なポイントです。たとえば、長期間レンズケースを使い続けると、目には見えない汚れや菌が蓄積することも…。
清潔な環境で保管することで、レンズの品質を保ち、目の健康も守ることができます。
まとめ
マルチフォーカルコンタクトレンズは、遠くも近くも自然に見えるよう設計された、遠近両用タイプのコンタクトレンズです。老眼の進行に合わせて視力をサポートしてくれるため、年齢を重ねても快適な視界を保ちやすく、多くの方に選ばれています。
レンズの種類やメーカー、装用スタイルにはさまざまな選択肢があるため、自分の目の状態や生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。初めての方は、眼科で相談しながらトライアルレンズを試し、じっくりと自分に合う1枚を見つけることをおすすめします。
「そろそろ視力の変化が気になってきた」という方は、無理に我慢せず、マルチフォーカルコンタクトという新しい選択肢に目を向けてみてはいかがでしょうか。日常の見え方が変わることで、気持ちもぐっと前向きになれるかもしれません。