「コンタクトレンズって、実際いくらくらいかかるの?」そんな疑問を抱えている方は少なくありません。
特に、これからコンタクトデビューを考えている方や、久しぶりに購入を検討している方にとっては、レンズ代だけでなく、眼科の受診料や検査費用、処方箋の有無など、わからないことが多く、不安を感じることもあるでしょう。
この記事では、コンタクトレンズの種類ごとの価格相場や初期費用、毎月のランニングコストをはじめ、保険の適用や医療費控除、割引制度の活用方法まで、費用に関する疑問をまるごと丁寧に解説します。
コンタクトレンズの価格はどう決まる?種類ごとの費用をチェック
コンタクトレンズの価格は、「種類」「使用頻度」「度数の有無」「購入方法」など、さまざまな要因によって決まります。とくに初心者にとっては、価格差の理由が分かりづらく、迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、代表的な種類別に価格の目安を紹介しながら、それぞれの特徴と費用の違いについて分かりやすく解説します。
ソフトとハード、どっちが高い?特徴と価格の違い
コンタクトレンズには大きく分けて「ソフトレンズ」と「ハードレンズ」があります。どちらにもメリット・デメリットがあり、価格にも違いがあります。
ここではそれぞれの特徴と、実際にどれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。
▼ソフトレンズとハードレンズの違いと価格目安(1枚または1セットあたり)
種類 | 特徴 | 価格帯(片目) | 寿命目安 |
ソフトレンズ | 柔らかく装着感が良い。初心者に人気。 | 約2,000円〜3,500円 | 1日〜1ヶ月 ※レンズの種類による |
ハードレンズ | 視力矯正力が高く、長く使える。慣れが必要。 | 約8,000円〜18,000円 | 約2〜3年 |
一般的に、初期費用はハードレンズの方が高く感じられますが、長く使えるためトータルコストで見るとコスパが良いケースもあります。一方、ソフトレンズは使い捨てや定期交換型が多く、初期費用は抑えられますが、継続的なコストがかかります。
最終的には、装用感の好みやライフスタイル、コスト感を比較しながら、自分に合ったレンズを選ぶことが大切です。
ワンデー・2ウィークの価格比較!1ヶ月でどれくらいかかる?
使い捨てタイプのコンタクトレンズは、手入れ不要で衛生的に使えることから、多くのユーザーに選ばれています。
とくに「ワンデー」と「2ウィーク」は人気の高い選択肢ですが、それぞれの価格にはどのような違いがあるのでしょうか?1ヶ月の費用をもとに比較してみましょう。
▼ワンデーと2ウィークの1ヶ月あたりの費用比較(両目使用)
種類 | 使用枚数(月) | 平均価格(1箱) | 月額コスト目安 |
ワンデー | 60枚(30日分) | 約2,000〜4,000円 | 約4,000〜8,000円 |
2ウィーク | 4枚(2箱) | 約2,000〜3,500円 | 約2,000〜3,500円 |
ワンデーは1日使い切りのため、毎日使う場合はコストが高くなりますが、旅行やスポーツなど、必要な時だけ使うには便利です。2ウィークは1枚を2週間使うため、コストを抑えやすい一方、こまめなケアが必要です。
価格だけでなく、ライフスタイルや使用頻度を考慮して選ぶことが満足度の高い選択につながります。
カラコン・乱視・遠近両用など、特殊レンズはいくらかかる?
視力矯正だけでなく、見た目や老眼・乱視といった特別なニーズに対応した「特殊タイプ」のコンタクトレンズは、通常のレンズと比べて価格がやや高めです。
ここでは代表的な特殊レンズの価格帯をご紹介します。
▼特殊コンタクトレンズの種類と価格相場(片目あたり)
レンズの種類 | 特徴 | 価格帯(1箱) |
カラコン | 瞳の色や印象を変える。ファッション用途にも | 約1,500円〜3,500円 |
乱視用 | 特殊な度数設計で乱視を矯正 | 約2,000円〜5,000円 |
遠近両用 | 老眼と近視を同時に矯正。中高年に人気 | 約4,000円〜7,000円 |
※価格はレンズの装用期間によって異なる
カラコンはデザインや発色の違いによって価格が上下しやすく、乱視用や遠近両用は構造が複雑なため単価が高い傾向があります。とくに遠近両用レンズは、高機能なだけに価格も高めで、両目分で1ヶ月6,000円以上かかることもあります。
特殊レンズを選ぶ際は、価格だけでなく、自分の目に合っているかどうか、医師の処方に基づいて購入することが重要です。
初めてのコンタクト購入にかかる初期費用とは?
コンタクトレンズを初めて購入する際には、レンズ代だけでなく、眼科の受診料や検査費用、処方箋の発行など、さまざまな初期費用がかかります。「思ったより高かった…」と感じないようにするためにも、事前に必要な費用を把握しておくことが大切です。
ここでは、初回に必要な費用の内訳を詳しく解説していきます。
眼科の受診料や検査費用はどのくらい?
コンタクトレンズを購入する前には、必ず眼科での受診・検査が必要です。これは目の健康を守るための大切なステップであり、処方箋の発行にもつながります。
では、実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
▼初診時にかかる眼科費用の目安(保険適用時)
内容 | 金額の目安(3割負担) | 備考 |
初診料 | 約900円〜1,200円 | 初めて受診する場合にかかる費用 |
視力検査 | 約300円〜600円 | 視力・眼圧・角膜などの検査含む |
コンタクト適合検査 | 約500円〜1,000円 | レンズが目に合うかどうかのチェック |
合計すると、保険適用なら初診料900〜1,200円、検査料等含めて1,500円〜2,500円が一般的です。自由診療扱いとなる一部クリニックでは、保険が使えず、5,000円以上かかるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
処方箋って必要?発行の流れと費用を解説
コンタクトレンズの購入には、眼科で発行される処方箋が必要な場合があります。とくに初めての方は、正確な度数や目の状態に基づいた処方が重要です。
処方箋の発行にはどのような流れがあり、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
▼処方箋発行の基本的な流れ
- 眼科で視力・角膜・涙液などの検査を受ける
- 実際にレンズを装着してフィッティング確認
- 目に合うレンズが決まったら処方箋を発行
処方箋発行自体は追加料金不要ですが、自由診療では検査等で3,000〜5,000円かかることがあります。
また、処方箋の有効期限は医療機関によって異なりますが、基本的には数ヶ月〜1年程度です。期限が切れると再発行が必要になるため注意が必要です。
初回はどれくらいの予算が必要?ケース別シミュレーション
初めてのコンタクトレンズ購入時には、「診察費」「レンズ代」「ケア用品」など、トータルでどれくらいの出費になるのか気になる方も多いはずです。
ここでは、よくあるケース別に予算の目安をシミュレーションしてみましょう。
▼初回購入時の予算シミュレーション(両目・税込目安)
ケース | 受診料・検査費 | レンズ代 | ケア用品費(必要時) | 合計目安 |
ワンデー30日分(30枚×2箱) | 約2,500円 | 約5,000〜7,000円 | 不要(使い捨て) | 約7,500〜9,500円 |
2ウィーク3ヶ月分(6枚×2箱) | 約2,500円 | 約4,000〜6,000円 | 約1,000〜1,500円 | 約7,500〜10,000円 |
ハードレンズ(両目) | 約2,500円 | 約16,000〜36,000円 | 約1,000〜2,000円 | 約19,500〜40,500円 |
使い捨てタイプはレンズ代は安めですが、継続使用には定期的な購入が必要です。一方、ハードレンズは初期費用が高く見えるものの、寿命が長いため長期的には経済的な一面もあります。
なお、店舗によっては「初回体験セット」や「学割パック」などのお得なプランが用意されている場合もあるため、購入前に調べておくとよいでしょう。
毎月どれくらいかかる?コンタクトのランニングコスト
コンタクトレンズは、購入して終わりではなく「継続的に使うもの」だからこそ、ランニングコストの把握がとても重要です。とくに毎月どれくらいの費用がかかるのかは、選ぶレンズの種類によって大きく異なります。
ここでは、年間・月間コストの目安や、意外と見落としがちなケア用品の費用、そして上手に節約するための購入方法について詳しくご紹介します。
年間いくら?使い捨て・ハード別コスト比較
日々使い続けるコンタクトレンズは、種類によってコスト感が大きく変わります。ここでは、1年単位でかかる費用を種類ごとに比較してみましょう。
▼コンタクトレンズの年間コスト比較(両目使用・税込目安)
種類 | 月額コスト目安 | 年間コスト目安 | 特徴 |
ワンデー | 約4,000〜8,000円 | 約48,000〜96,000円 | 毎日使い捨てで衛生的、価格はやや高め |
2ウィーク | 約2,000〜4,000円 | 約24,000〜48,000円 | コストを抑えやすく、定期的な交換が必要 |
ハードレンズ | 初年度:約20,000〜36,000円(レンズ購入費) | 2年目以降:ケア用品代(約1,000〜2,000円/月)が主なコスト | 長持ちで経済的だが、最初は高めの出費 |
※ハードレンズは耐用年数が長いため、2年目以降のコストはケア用品や交換費用のみになります。
このように、初期費用が安いワンデーや2ウィークでも、長期的には高コストになる可能性があります。一方、ハードレンズは初期費用が高くてもトータルで見ればコスパが良いという特徴があります。
自分のライフスタイルに合ったレンズ選びが、無理なく続けるためのカギになります。
意外と見落としがち?ケア用品の費用も忘れずに
コンタクトレンズのランニングコストで見落とされがちなのが、「ケア用品」にかかる費用です。使い捨てのワンデータイプを除き、2ウィークやハードレンズでは、清潔を保つための専用洗浄液などが必要になります。
▼代表的なケア用品と月額コスト目安(両目)
用途 | 種類例 | 月額コスト目安 |
洗浄・保存 | ソフト用マルチケア液 | 約800〜1,200円 |
中和・タンパク除去 | ハードレンズ用酵素洗浄液等 | 約500〜800円 |
レンズケース | 定期交換推奨(1〜3ヶ月) | 約100〜200円 |
ケア用品は、衛生管理のために毎月安定して必要な支出です。とくにマルチケア液は消耗が早く、使い方によっては月に2本必要になることもあります。
ケアが不十分だとレンズの寿命を縮めるだけでなく、眼病のリスクも高まるため、節約しすぎず、品質の良い製品を選ぶことが大切です。
安く買うコツは?ネット・定期便・まとめ買いを上手に活用
コンタクトレンズを継続して使う場合、費用を少しでも抑えたいと考える方は多いでしょう。とはいえ、価格だけで選ぶと品質や安全性を損なうリスクもあります。
そこで、安心して使いながらもコストを下げるための購入方法をご紹介します。
▼コンタクトを安く買うための工夫
工夫の方法 | 内容(簡潔な説明) |
通販サイトを活用する | 店頭よりも割安で購入できる場合が多い |
定期購入サービスを使う | 送料無料や割引などの特典が受けられる |
まとめ買いで単価を下げる | 年間分まとめて買うと1箱あたりが安くなる |
セール・クーポンを活用する | 割引コードや時期限定セールでお得に買える |
ジェネリック製品を選ぶ | 品質が良く価格も抑えられている製品がある |
とくにネット通販は、ポイント還元やレビューの比較もでき、計画的に購入すれば大きな節約につながります。ただし、処方箋が必要なサイトや、個人輸入扱いのサイトもあるため、信頼できるショップを選ぶことが大前提です。
コストを抑えつつ、品質と安全を両立するためには、安さだけにとらわれず、バランスの取れた選択をしましょう。
保険や控除でおトクになる?費用を抑える制度と工夫
コンタクトレンズは日常的な医療品であるにもかかわらず、「保険がきくの?」「医療費控除の対象になる?」など、制度面の情報は意外と知られていません。しかし、条件を満たせば費用を抑える手段は複数あります。
ここでは、健康保険や医療費控除、学割や自治体の助成制度など、知っておきたい“おトクな制度”を詳しく解説します。
保険が使えるケースとは?医療用コンタクトの条件
コンタクトレンズは基本的に自由診療扱いとなるため、通常の視力矯正目的では健康保険の対象外です。
しかし、特定の条件を満たす「医療用コンタクトレンズ」に限っては、保険が適用されることがあります。
▼保険適用の対象となる主なケース
対象疾患・症状 | 内容 |
円錐角膜 | 角膜が変形する疾患で、ハードレンズが必要 |
白内障手術後の視力矯正 | 人工レンズでは補えない視力をコンタクトで補正 |
角膜の外傷や手術後の治療用 | 治療目的でコンタクトレンズを使用する場合 |
重度の屈折異常 | メガネでは視力が出ない場合など |
上記に該当する場合、眼科で「治療用コンタクトレンズ」として診断書が出された場合のみ保険適用になります。医師が必要と判断した場合に限られるため、自己判断での適用はできません。
なお、通常の視力矯正用コンタクトでは保険は使えませんが、特定の病気がある場合は保険証を提示して3割負担で購入できる可能性があります。費用面で悩んでいる場合は、まず眼科で相談してみるとよいでしょう。
医療費控除で戻るお金とは?条件と申請方法をやさしく解説
年間を通して医療費がかさんだ場合、「医療費控除」を申請することで所得税の還付や住民税の軽減が受けられることがあります。では、コンタクトレンズの費用も医療費控除の対象になるのでしょうか?
答えは「医師の処方による視力矯正目的のコンタクトレンズ」であれば対象になるということです。カラコンなど装飾目的や処方箋なしで購入した場合は対象外です。
▼医療費控除の主な条件と基準
項目 | 内容 |
控除対象となる費用 | 処方を受けて購入したコンタクト代、診察料など |
控除を受けられる条件 | 世帯全体の年間医療費が10万円以上(または所得の5%以上) |
控除申請に必要なもの | 領収書、医療費控除の明細書、確定申告書など |
申請方法 | 所得税の確定申告で申請(e-Taxまたは紙提出) |
市販のカラコンや処方箋なしで購入したコンタクトは対象外となるため注意が必要です。また、医療費控除は1年間で合計した医療費が基準を超える場合にのみ適用されます。
たとえば、家族全員分の医療費を合算できるため、子どもの病院代や通院費などと一緒に申告することで控除額が大きくなるケースもあります。しっかり領収書を保管し、年末にまとめて確認する習慣をつけるとよいでしょう。
学割・助成制度もチェック!知って得する節約術
学生や一定の条件を満たす人に向けて、民間企業や自治体が提供する「割引制度」や「助成制度」が存在します。積極的に活用すれば、コンタクトレンズの出費を抑えることが可能です。
▼活用できる割引・助成制度の例
制度の種類 | 対象者・条件 | 内容 |
学生割引(学割) | 中学・高校・大学生、専門学生など | レンズ代が5〜20%オフなど |
自治体の助成制度 | 一部自治体で、視力障がい等が対象 | コンタクト購入費の一部を助成 |
視覚障害者補装具費 | 身体障害者手帳を持つ方 | 福祉制度により費用の大部分を補助 |
特に「学割」は多くの眼科や販売店で実施されており、学生証の提示で割引が適用されるケースが一般的です。また、地域によっては視力に関する障がいがある場合に、自治体が費用の一部を補助する制度を設けていることもあります。
こうした制度は公式サイトや店頭では目立たないこともあるため、購入前に問い合わせてみることが節約のカギになります。利用できる制度は地域や条件によって異なるため、情報収集が重要です。
まとめ
コンタクトレンズの費用は、種類や使用頻度、購入方法によって大きく異なります。ワンデーや2ウィークといった使い捨てタイプは初期費用が抑えられる反面、継続的な購入が必要なため、ランニングコストが高くなりやすい傾向にあります。一方で、ハードレンズは初期費用が高めですが、長期的にはコストを抑えられる選択肢です。
初めてコンタクトを購入する場合は、眼科での検査費や処方箋の取得、ケア用品なども含めた初期費用を事前に把握しておくことが大切です。また、保険が適用される特殊なケースや、医療費控除、学割・助成制度など、うまく活用すれば費用を軽減できる制度も存在します。
購入する際は、価格だけで判断するのではなく、安全性や自分のライフスタイルに合った選び方を心がけることで、快適かつ経済的にコンタクトレンズを使用することができます。目の健康を守るためにも、信頼できる情報と適切な判断で、納得のいく選択をしていきましょう。