コンタクトレンズを選ぶとき、「どのメーカーがいいのか」や「使い捨てがいいのか」など、迷うポイントはたくさんありますが、実は最も見落とされやすいのが“素材の違い”です。
中でも「HEMA(ヘマ)」という素材は、長年多くのレンズに使われてきた定番的な存在。しかし、その特徴を知らずに選んでしまうと、装用中に「乾く」「違和感がある」と感じる原因になることもあります。
この記事では、HEMAとはどんな素材なのか、そのメリット・デメリットや自分に合うかどうかの見極め方、そして眼科での相談のポイントまでわかりやすく解説します。
HEMA素材のコンタクトレンズとは?
コンタクトレンズの使い心地や目の負担には、素材が大きく関係しています。HEMAは昔から使われている親水性素材のひとつで、今も多くのレンズに採用されています。
ここでは、HEMAとはどんなものなのか、その基本をわかりやすく解説していきます。
HEMAとは何か?コンタクトレンズ素材としての基本を解説
HEMA(ヘマ)は、水分を取り込みやすい性質を持ったやわらかい素材で、ソフトコンタクトレンズに使われています。1955年に開発され、1960年から多くの製品に採用されてきました。
加工しやすくコストも抑えられるため、現在でも使い捨てタイプのレンズなどで広く使用されています。
▼HEMAの基本情報
項目 | 内容 |
正式名称 | Hydroxyethyl Methacrylate |
主な特徴 | 親水性があり水分を含む |
用途 | ソフトコンタクトレンズ(主に1日・2週間タイプ) |
使用開始時期 | 1960年代から |
HEMAは古くから使われている分、信頼性が高く、現在も多くの製品に使われています。柔軟で加工しやすいという特長から、コストを抑えた使い捨てタイプのレンズなどに多く採用されています。
HEMAの特徴をチェック!含水率や柔らかさに注目
HEMAを使用したレンズは、水分を含んでやわらかく、目にやさしくなじみやすいのが特徴です。
ただし、含水率が高いレンズは乾きやすく感じることもあり、使用環境や装用時間によって快適さが変わります。
▼HEMAを使ったレンズの特徴
特徴 | 内容 |
含水性 | 高く、水を含む性質がある |
やわらかさ | 柔軟で目にフィットしやすい |
酸素透過性 | シリコーンハイドロゲル素材より低め(長時間装用には不向き) |
快適性 | 短時間の使用で装用感が良好なことが多い |
HEMAはそのやわらかさから初心者にも扱いやすく、目になじみやすい素材です。一方で、乾きやすさが気になる場合は、レンズの種類や装用時間を見直すことで快適に使えることがあります。
HEMAと他のコンタクトレンズ素材を比べてみよう
現在ではHEMA以外にも、酸素透過性に優れた素材などが登場しています。それぞれに特長があるため、目的や装用時間に合わせて選ぶ必要があります。
▼HEMAと他素材の比較
素材名 | 含水率 | 酸素透過性 | 柔らかさ | 特徴的な用途 |
HEMA | 高め | やや低い | とても柔らかい | 短時間装用・初心者向け |
シリコーンハイドロゲル | 中〜低 | 高い | やや硬め | 長時間装用・酸素供給重視 |
その他の高分子素材 | 製品による | 中〜高 | 製品による | 機能性重視タイプ |
HEMAは柔らかくて使いやすい反面、酸素透過性が低めで、長時間装用には注意が必要です。目の乾きやすさ、装用時間、使用シーンをふまえて素材を選ぶことで、より快適にコンタクトを使うことができます。
HEMAのメリットとデメリットを整理しよう
コンタクトレンズの使い心地は、素材によって大きく変わります。
ここでは、HEMAを使用したレンズの良い点と注意点を整理し、自分に合っているかどうかを見極めるための参考にしていきましょう。
初心者にも選ばれる理由!HEMAのメリットとは
HEMAを使用したレンズは、やわらかくて扱いやすいのが特長です。コスト面でも手頃なものが多く、初めてのコンタクトとして選ばれることがよくあります。
▼HEMAを使用したレンズの主なメリット
メリット内容 | 詳細 |
やわらかく装用感がやさしい | フィット感があり、異物感を感じにくい |
コストが手頃で始めやすい | 初心者にも手が届きやすい価格帯 |
使い捨てタイプが豊富 | 1日や2週間タイプなど選びやすい |
扱いやすく初心者に向いている | 装着や取り外しが簡単で扱いやすい |
気軽に始めやすく、目にやさしい使用感があることから、コンタクトレンズに慣れていない人にも適しています。装用時間や目的に合わせて選ぶと、さらに快適に使えるでしょう。
HEMAは乾燥しやすい?デメリットと対策を知っておこう
HEMAは水分を多く含む反面、長時間使うと乾きやすい傾向があります。また、酸素を通しにくい点にも注意が必要です。
▼考えられるデメリットと対策
デメリット | 対策方法 |
乾燥しやすい | 長時間装用を避け、目薬で潤いを補う |
酸素透過性が低い | 睡眠中の使用は控え、日中のみの装用にする |
PC作業で乾きやすい | 画面から目を離す時間をつくる |
使用時の工夫や装用時間を意識することで、こうした弱点はある程度カバーできます。とくに乾燥が気になる方は、装着時間や使用頻度に気を配ることが大切です。
HEMAが自分に合うか?見極めるポイントをチェック
コンタクトレンズは、自分の目や生活に合っているかどうかが一番の判断基準です。以下のような点をチェックしてみましょう。
▼HEMAレンズが向いている人の傾向
- 短時間の装用が中心
- 柔らかくフィット感のあるレンズを求めている
- コストを抑えたい
- ドライアイの症状が軽い
- 初めてコンタクトを使う予定がある
こうした条件に当てはまる場合、HEMAを使ったレンズは十分選択肢になり得ます。逆に長時間の装用が前提の方や、強い乾燥を感じやすい方は、他の素材も含めて検討するのがおすすめです。
HEMA素材のコンタクトレンズを選ぶときのポイント
HEMAを使用したコンタクトレンズは、価格や使用感のバランスがよく、多くのメーカーから製品が販売されています。
ここでは、実際に市販されている製品や選び方の視点、口コミの活用法について見ていきましょう。
市販されているHEMA素材のコンタクトレンズを紹介
HEMAを使用したレンズは、使い捨てタイプを中心に、ドラッグストアや通販サイトなどで幅広く販売されています。ここでは、代表的な製品を紹介します。
▼代表的なHEMA使用レンズの例(2025年時点)
製品名 | タイプ | 特徴 |
メニコン1DAY | 1日使い捨て | 含水率55%で、みずみずしい装用感が特長 |
アイコフレワンデーUV M | 1日使い捨て(サークルレンズ) | 含水率38%で酸素透過を確保しつつ、装用感が良好 |
ワンデーアキュビューモイスト | 1日使い捨て | 初心者向け、やさしい装用感が特長 |
※製品仕様は変更される場合があります。購入前にメーカー情報をご確認ください。
このように、HEMAを使ったレンズには価格や装用感のバランスを重視した商品が多く揃っています。
まずは取り扱いのある店舗や公式サイトで情報を確認し、自分の目の状態に合ったものを選ぶのがおすすめです。
ライフスタイルに合わせたHEMAレンズの選び方とは
コンタクトレンズ選びでは、ライフスタイルとの相性がとても重要です。HEMAを使ったレンズも、用途や装用時間によって向き・不向きがあります。
▼ライフスタイル別に考えるHEMAレンズ選びの視点
ライフスタイル | 適した使い方 |
短時間の外出が多い | コストを抑えた1日使い捨てタイプが便利 |
仕事でPC作業が中心 | 乾きにくい低含水の製品を選ぶと快適 |
スポーツや旅行が多い | 取り扱いやすく、使い捨てできるタイプが安心 |
コンタクト初心者 | 柔らかく装用感のよいタイプからスタートしやすい |
同じHEMAを使っていても、製品ごとに含水率や厚み、カーブの設計が異なります。目の乾きやすさや装用時間をふまえて、日常生活に無理のないものを選ぶことが大切です。
利用者の口コミやレビューもチェックしてみよう
実際に使った人の声は、カタログ情報だけではわからないリアルな使用感を知るための手がかりになります。
口コミやレビューを見るときは、情報の受け取り方にもコツがあります。
▼口コミ活用時に見るべきポイント
チェック項目 | 理由 |
乾きやすさ・装用感の評価 | 自分の目の状態と似ている人の感想が参考に |
使用時間や環境の記載 | 通勤中・オフィスなど使用シーンが参考になる |
評価が分かれている点 | 賛否両論の理由を探ることで判断材料になる |
投稿者の使用歴や属性 | 初心者か上級者かで感じ方が異なるため注意が必要 |
口コミはあくまで個人の感想ですが、傾向をつかむ材料として活用すると、商品選びに役立ちます。評価が高いから良いではなく、自分にとって合っていそうか?を見極める視点が大切です。
コンタクトレンズ選びは眼科の活用がポイント
コンタクトレンズは市販でも購入できますが、自分の目に合わないレンズを選ぶとトラブルの原因になります。
ここでは、コンタクトを使い始める前や使い続ける中で、眼科をどう活用すべきかを見ていきましょう。
初めてのコンタクト選びは眼科相談から
コンタクトレンズを初めて使うときは、必ず眼科で診察を受けることが大切です。自己判断では気づけない目の状態や装用に向いているかどうかを、医師が正確に判断してくれます。
▼初めての診察で確認される主な内容
チェック項目 | 内容 |
視力や乱視の有無 | 装用レンズの度数や種類に影響 |
角膜や結膜の状態 | レンズの素材や形状の適正を確認 |
涙の量 | 乾燥しやすい目かどうかを判断 |
装用目的 | 生活スタイルに合うレンズを選ぶための情報 |
初回の診察では、度数だけでなく目の健康状態まで総合的に見てもらえます。目に合ったレンズを選ぶためには、自己判断せず専門家の意見を聞くことが安心につながります。
自分に合う素材を選ぶには?眼科で確認したいこと
コンタクトレンズにはさまざまな素材があり、乾燥のしやすさや酸素の通しやすさに違いがあります。
自分の目に合う素材を選ぶには、眼科で以下のような点を相談するとよいでしょう。
▼素材選びで眼科で相談すべきポイント
確認すべきこと | 相談の意図 |
目の乾燥の程度 | 含水率の高い素材が合うかを判断 |
装用時間の長さ | 酸素透過性の高い素材が必要か |
アレルギー体質かどうか | 特定の素材に反応しないか確認 |
日常の活動内容 | スポーツやデスクワークなど用途に合うか |
目の状態は人によって大きく異なります。同じ素材でも快適さに差が出るため、眼科での丁寧なヒアリングが素材選びを大きく左右します。
定期検診で目の健康を守ろう!HEMA使用時の注意点
コンタクトレンズは日々の装用だけでなく、定期的な検診も重要です。特にHEMAを使用したレンズは酸素をあまり通さないため、目への負担を軽減するためにも定期的なチェックが欠かせません。
▼定期検診で確認される主な内容
検査項目 | 内容 |
角膜の状態 | 傷や炎症の有無を確認 |
結膜の充血 | 酸素不足による影響の兆候を確認 |
涙の量と質 | 乾燥や涙液層の安定性を確認 |
レンズの扱い方 | 洗浄や装着方法の確認と指導 |
自覚症状がなくてもトラブルが進行していることがあります。特にHEMAを使用している場合は、酸素不足による目の酸欠状態に注意が必要です。
安全に使い続けるためにも、眼科での定期検診(3ヶ月に1回が目安)は必ず受けるようにしましょう。
まとめ
コンタクトレンズに使われるHEMAは、やわらかく装用感に優れていることから、今も多くの製品に採用されています。特に短時間の装用やコストを抑えたい人には向いていますが、乾きやすさや酸素透過性の面では注意が必要です。
自分に合ったレンズを選ぶには、まず眼科で目の状態を確認し、使用目的や生活スタイルに合わせた素材を選ぶことが大切です。口コミやレビューも参考になりますが、最終的には実際の装用感や目の状態に基づいて判断することが求められます。
無理なく快適に使える製品を選び、目の健康を守るためにも、定期的な眼科受診を忘れずに続けましょう。