コンタクトレンズは毎日欠かさず使う人にとって、生活に欠かせないアイテムです。しかし、月々の購入費用が積み重なると「少しでも安くならないかな」「助成金や補助はあるのだろうか」と感じることもあるのではないでしょうか。
この記事では、「コンタクトレンズに助成金はあるのか?」という疑問にまず答え、そのうえで医療費控除の仕組みや、病気・障害に関わる支援制度、さらに日常生活で実践できる節約の工夫までをわかりやすく解説します。
制度を正しく理解し、賢く活用することで、コンタクトレンズにかかる費用を少しでも軽くしていきましょう。
コンタクトレンズに助成金はある?
コンタクトレンズ費用に助成金があるのかは、多くの人が気になるポイントです。まずは助成金の有無をはっきり確認し、そのうえで一部で利用できる制度や負担軽減の工夫を見ていきましょう。
コンタクトレンズに直接の助成金はあるの?
一般的に、コンタクトレンズの購入に対して国や自治体から直接支給される助成金はありません。つまり、誰もが対象になる「補助金制度」は存在しないのです。
▼コンタクトレンズ費用と助成金の関係
ケース | 助成金の有無 | 補足説明 |
一般購入 | なし | 通常の視力矯正用は対象外 |
子育て世帯の医療費助成 | あり(一定条件下) | 9歳未満の小児が弱視・斜視・先天白内障術後の屈折矯正のため治療用コンタクトレンズを使用する場合、健康保険が適用され、自治体の子ども医療費助成制度により自己負担分もカバーされる場合がある |
高齢者医療制度 | なし | 医療費助成はあるがコンタクトは対象外 |
ただし、「治療目的」で処方されたケースや特定の制度を利用すれば、結果的に費用を軽くできる可能性はあります。
広く知られている助成金はないものの、制度の仕組みを理解することで「意外な負担軽減策」が見つかるのです。
一部のケースで費用が補助されることも
日常的なコンタクト購入は対象外ですが、病気や障害が関係する場合には補助制度が活用できることがあります。
▼補助を受けられる代表的なケース
- 角膜疾患などで処方される治療用レンズ
- 健康保険の適用対象となる特殊コンタクト
- 障害者手帳を持つ方への補装具費支給
これらは「視力矯正のため」ではなく「治療や障害への対応」として認められているのがポイントです。条件は限られますが、医師の診断や自治体での申請を通じて補助を受けられる仕組みが整っています。
助成金がなくても負担を減らす方法はある
助成金がないからといって、費用軽減を諦める必要はありません。税制や職場制度を使うことで、実質的に出費を抑えることができます。
▼負担を減らすために活用できる例
- 医師が処方した場合の医療費控除
- 勤務先の福利厚生制度
- 医療関連の民間保険
直接的な助成金は存在しなくても、複数の仕組みを組み合わせれば家計への負担は軽くなります。つまり「助成金=ゼロ」ではなく、「制度をどう使うか」が費用を左右する大きなポイントになるのです。
医療費控除でコンタクトレンズ費用は対象になる?
コンタクトレンズは日常生活で使う人が多いですが、購入費用が医療費控除に当てはまるのかどうかは意外と知られていません。
ここでは、どんな場合に対象になるのか、対象外となるケース、そして実際の申請方法を確認していきます。
医師の診断がある場合は医療費控除の対象に
コンタクトレンズの購入費用は、医師の治療を必要とする症状により処方された場合のみ、コンタクトレンズ代は医療費控除の対象となります。
一般的な近視・遠視・乱視の矯正用やファッション性目的(度なしカラーコンタクトなど)は対象外です
▼コンタクトレンズと医療費控除の対象可否
ケース | 対象の有無 | 補足説明 |
近視・遠視・乱視の矯正用 | 対象 | 医師の診断・処方が条件 |
角膜疾患など治療目的 | 対象 | 特殊レンズも含まれる |
自己判断で購入 | 対象外 | 医師の関与がなければ不可 |
医療費控除の対象になるかどうかは「医師の診断と処方」が前提条件だと理解しておくと安心です。
ファッション用カラーコンタクトは対象外
視力矯正が目的ではなく、おしゃれ用のカラーコンタクトや度なしコンタクトは医療費控除の対象にはなりません。これは「治療のための費用ではない」とみなされるためです。
▼対象外となるコンタクトの例
種類 | 理由 |
度なしカラーコンタクト | 見た目目的で治療費に該当しない |
コスプレ用コンタクト | 医師の診断や処方に基づいていない |
サークルレンズ(度ありでも装飾目的) | 治療目的ではなく対象外 |
つまり、医療費控除に含められるのは「治療用」に限られます。ファッション性を重視した製品は控除対象から外れるため、混同しないよう注意が必要です。
医療費控除を受けるための流れと必要書類
医療費控除を利用するためには、確定申告で必要書類を提出する必要があります。ポイントは「支払った金額を証明できること」と「医師の診断が確認できること」です。
▼医療費控除の申請手順
- 医師の診断書または処方箋を受け取る
- 購入時の領収書を必ず保管する
- 確定申告書に医療費控除欄を記入する
- 医療費控除の明細書を添付して提出する
書類がそろっていれば申請は難しくありません。特に領収書の保管は必須なので、購入後に紛失しないよう注意しておくことが大切です。
病気や障害に関する支援制度を知ろう
コンタクトレンズは多くの人にとって自己負担で購入するものですが、病気や障害に関係する場合には公的な補助制度を利用できることがあります。
ここでは、一般的な購入ではなく「特定の条件を満たすケース」で受けられる支援について整理します。
特定の眼疾患で利用できる公的補助
通常の視力矯正用コンタクトは対象外ですが、弱視・斜視・円錐角膜・先天白内障術後の治療目的で使用するコンタクトレンズ・眼鏡等は健康保険・自治体助成の対象となる場合があります。
▼治療用コンタクトと補助の有無
対象となるケース | 補助の有無 | 補足説明 |
角膜形状異常(円錐角膜など) | あり | 医師の診断があれば特殊レンズが保険適用 |
重度のドライアイや外傷後の視力障害 | あり | 治療目的で処方される場合に対象 |
通常の近視・遠視・乱視矯正 | なし | 治療目的ではないため対象外 |
このように「治療が目的」であることが前提条件です。日常的な視力矯正ではなく、病気や障害に起因する場合にのみ補助が得られると覚えておくと分かりやすいでしょう。
障害者手帳で受けられる支援サービス
視覚に障害があると認められ、身体障害者手帳を取得すると、補装具費の支給や福祉サービスを受けられる場合があります。これは国の制度をもとに自治体が運用しており、医師の診断や申請手続きが必要です。
▼障害者手帳に基づく主な支援例
- 補装具費の支給(眼鏡・治療用コンタクトなど)
- 医療費助成や自己負担額の軽減
- 公共料金や交通機関の割引
身体障害者手帳に基づき、矯正眼鏡・治療用コンタクトレンズ等が公費負担(補装具費支給制度)対象となります。自治体ごとに申請手続・支給上限額・負担割合が異なりますが、多くの場合1割負担です。
このように視覚障害が日常生活に影響を与えている方は、身体障害者手帳を取得を検討することで負担を大きく減らせる可能性があります。
自治体ごとの医療費助成制度を確認する方法
病気や障害の有無に関わらず、自治体独自で医療費助成を設けている場合があります。特に子ども医療費助成や重度心身障害者医療費助成は、対象範囲が地域によって異なります。
▼自治体制度を確認する方法
- 自治体の公式ホームページを確認する
- 福祉課や保健センターに問い合わせる
- 医師や眼科クリニックで情報を聞く
同じ制度名でも、対象年齢や所得制限、対象医療が市区町村ごとに異なることがあります。そのため「自分の住んでいる自治体でどう扱われているか」を調べることが最も確実です。
コンタクトレンズ費用を抑える工夫
コンタクトレンズは毎日の生活に欠かせないものですが、継続して購入するとなると費用が気になるものです。ここでは、助成金がなくてもできる具体的な節約方法を紹介します。
定期購入や通販の割引を上手に活用する
店舗で1回ごとに購入するよりも、通販サイトや定期購入サービスを利用した方が割引が適用される場合があります。特に使い捨てタイプを常用している人にとって、まとめ買いは大きな節約につながります。
▼購入方法ごとの特徴
購入方法 | メリット | 注意点 |
店舗購入 | 医師の検査と同時に購入でき安心 | 価格がやや高め |
通販サイト | 割引やポイント還元が豊富 | 処方箋の確認が必要な場合あり |
定期購入サービス | まとめ買い割引で継続的に安くなる | 長期間の契約が前提になることも |
自分のライフスタイルに合わせて購入方法を選ぶだけで、長期的に見ると数万円単位の節約につながるケースもあります。
医療費控除とセルフメディケーション税制の違い
医療費の負担を軽減する仕組みには「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」があります。両者の違いを知っておくと、より適切に節税が可能です。
▼医療費控除とセルフメディケーション税制の比較
項目 | 医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
適用条件 | 年間の医療費が10万円超 | 健康診断などを受けていること |
対象費用 | 医師の治療費・処方に基づく費用 | 指定された市販薬の購入費 |
控除対象にできるか | コンタクトレンズは対象(医師の処方あり) | コンタクトレンズは対象外 |
コンタクトレンズはセルフメディケーション税制の対象外です。医師の治療目的以外で購入した場合、医療費控除も適用外となります。そのため「医師の処方で購入した場合は医療費控除を使う」と整理しておくとわかりやすいでしょう。
保険や会社の福利厚生を見直してみよう
意外と見落としがちなのが、保険や勤務先の福利厚生によるサポートです。視力矯正そのものは対象外でも、関連する費用が補填される場合があります。
▼確認しておきたいサポート例
- 医療保険の特約に「視力矯正関連費用」の補償があるか
- 福利厚生で「眼鏡・コンタクト購入補助」があるか
- 健康保険組合で「検査費用補助」が設けられているか
直接的にコンタクト代をカバーする制度は多くありませんが、こうした制度を見直すことで予想以上に費用が軽減されることもあります。知らずに見逃している可能性があるため、一度は確認してみる価値があるでしょう。
まとめ
コンタクトレンズの購入に対して、一般的に助成金は用意されていません。しかし、医師の診断に基づく治療用コンタクトであれば医療費控除の対象になり、角膜疾患などの特殊なケースでは健康保険や補助制度が利用できることがあります。
また、障害者手帳を持つ場合や自治体独自の制度によって支援を受けられる可能性もあります。さらに、定期購入や通販による割引、会社の福利厚生や保険の見直しなど、日常的に取り入れやすい工夫を活用すれば負担を減らすことは十分可能です。
助成金自体は基本的に存在しなくても、制度や工夫を組み合わせることで、コンタクトレンズにかかる費用を着実に抑えることができるのです。