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福岡県田川市ってどんな街?炭都の面影と温かい食文化に出会う、大人な休日の過ごし方

ミエルネ編集部丨執筆協力:先進会眼科 福岡飯塚 / 岡 義隆

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「福岡県田川市って、名前は聞くけど実際どんなところなんだろう?」そんなふうに思っているなら、次の休みは「田川市」へ足を運んでみませんか?

かつて炭坑の街として日本のエネルギーを支え、今もその歴史的な風景と温かい人情が色濃く残る田川市。実は、福岡市や北九州市から車や電車で1時間ほどで行ける、大人の日帰り旅にぴったりのスポットなんです。

この記事では、地元民に愛されるスタミナグルメから、世界が認めた歴史遺産、そして季節の花々が彩る癒やしのスポットまで、田川市の魅力を余すところなくご紹介します。

田川市はどこにある?場所と交通アクセスを解説

福岡県の真ん中にあり、福岡市・北九州市のどちらからもお出かけしやすい田川市。かつて日本の産業を支えた「炭都」でありながら、現在はのどかな風景が広がる、ちょうどいい距離感の街です。

まずは、田川市がどんな場所にあるのか、どうやって行くのが便利なのかをチェックしていきましょう。

福岡県のほぼ真ん中。「炭都」田川の特徴とエリア情報

福岡県の北東部、三方を山々に囲まれた盆地の中心にあるのが田川市です。東には北九州市、西には飯塚市があり、福岡県のほぼ中央に位置する重要な地点となっています。

田川市を中心に周辺の7つの町村(香春町、添田町など)と「田川エリア」を形成しており、この地域の中心的な役割を担っています。​

▼田川市の基本データ

項目内容
位置福岡県の中央部(筑豊地方)​
面積約54.55平方キロメートル​
隣接する街飯塚市、嘉麻市、田川郡(7町村)など​
特徴炭坑節発祥の地、ユネスコ記憶遺産保有​

かつては飯塚・直方と並んで「筑豊三都」と呼ばれ、石炭産業で栄えた歴史を持つ田川市。今も街のあちこちに当時の面影が残っていて、ただ歩くだけでも歴史の風を感じられます。

福岡市・北九州市からどれくらい?車と電車での行き方

福岡県内の2大都市である福岡市と北九州市からは、車や電車で1時間〜1時間半ほど

ドライブがてら車で訪れるのも便利ですし、車窓からの景色を楽しみながらのんびり電車やバスに揺られるのもおすすめです。

▼福岡市・北九州市からのアクセス目安

出発地移動手段ルート・利用路線所要時間(目安)
福岡市(博多・天神)特急バス西鉄天神高速バスターミナルから「筑豊特急」乗車​約1時間30分
電車JR博多駅(福北ゆたか線)→新飯塚駅乗換→田川後藤寺駅​約1時間〜1時間30分
福岡ICまたは太宰府IC~八木山バイパス~国道201号経由​約1時間20分
北九州市(小倉)電車JR小倉駅(日田彦山線)→田川伊田駅・田川後藤寺駅​約50分〜1時間
バス小倉駅バスセンターから西鉄バス経由で田川方面へ​約1時間15分
小倉東ICまたは小倉南IC~国道322号経由​約50分〜1時間

福岡方面からは乗り換えなしで座って行ける西鉄の「筑豊特急バス」が、北九州方面からは直通の「JR日田彦山線」がおすすめです。

どちらの都市からも「今度の休みに行ってみようかな」と気軽に思える距離なので、思い立ったらすぐに出かけられます。

時代を支えた景色を歩く。歴史とアートを感じる観光スポット

田川市の観光は、ただ見るだけではなく「歴史の重みを感じる」のが特徴です。

日本の近代化を支えた石炭産業の遺産、世界から認められた記憶遺産、そして地域の人々が守り続けてきた伝統の祭り。街全体が博物館のような田川市で、ぜひ訪れてほしいスポットを厳選しました。

街のシンボル「二本煙突」と石炭記念公園で歴史に触れる

JR田川伊田駅の近くにそびえ立つ2本の巨大な煙突。これこそが田川のシンボル「二本煙突(旧三井田川鉱業所伊田竪坑第一・第二煙突)」です。高さ約45m、使用された耐火レンガは約21万3千枚にも及び、明治41年の建設当時から変わらぬ姿で田川の街を見守っています。​

有名な民謡「炭坑節」の中で「あんまり煙突が高いので、さぞやお月さん煙たかろ」と歌われたのも、まさにこの煙突のこと。現在は周辺が「石炭記念公園」として整備されており、当時の竪坑櫓(たてこうやぐら)とともに国の登録有形文化財に指定されています。

公園を散策しながら見上げる煙突は圧巻で、かつての活気を肌で感じることができるでしょう。​

▼石炭記念公園の見どころ

スポット特徴
二本煙突明治期最大級のレンガ造煙突。炭坑節のモデル​
伊田竪坑櫓鉄骨造りの巨大な櫓。映画やドラマのロケ地にも​
SL展示かつて石炭輸送で活躍した蒸気機関車を保存・展示​

炭坑節発祥の地で知る、ユネスコ記憶遺産・山本作兵衛の世界

石炭記念公園の中にある「田川市石炭・歴史博物館」は、田川を訪れるなら外せないスポットです。ここには、日本で初めてユネスコ「世界の記憶(世界記憶遺産)」に登録された山本作兵衛(やまもとさくべえ)氏のコレクションが収蔵されています。​

実際に炭坑夫として働いていた作兵衛氏が、当時の記憶を頼りに描いた炭坑記録画は、写真よりも鮮明に当時の空気感を伝えてくれます。

暗い坑内での作業風景や、炭坑住宅での生活の様子などが、余白に書き込まれた解説文とともに詳細に描かれており、見る人の心に深く訴えかけてきます。

▼田川市石炭・歴史博物館のポイント

展示内容魅力
山本作兵衛原画世界が認めた記録画。当時の息遣いが伝わる​
炭坑住宅の復元当時の暮らしを再現したエリアでタイムスリップ気分​
産業機械展示実際に使われていた大型機械の迫力を体感​

四季折々の花と静寂を楽しむ、田川市美術館・丸山公園周辺

▼田川市美術館

▼丸山公園

歴史だけでなく、アートや自然を楽しみたい方におすすめなのが「田川市美術館」と、その近くにある「丸山公園」のエリアです。

美術館は、筑豊ゆかりの作家の作品を中心に紹介しており、静かで落ち着いた空間の中で芸術に浸ることができます。​美術館で感性を刺激したあとは、車で5分ほどの場所にある丸山公園へ足を延ばしてみるのがおすすめ。春には約1000本の桜、初夏にはツツジが咲き誇る、地元の人々に愛される憩いの場です。

季節の花を眺めながらのんびりと散歩すれば、心身ともにリフレッシュできるはずです。​

▼このエリアの楽しみ方

施設名楽しみ方
田川市美術館地元作家の作品鑑賞や、企画展を楽しむ​
丸山公園春は桜、初夏はツツジなど季節の花を愛でる散策​
産業遺産との対比公園の高台から、田川の街並みや二本煙突を望む​

470年続く初夏の熱気!福岡五大祭り「川渡り神幸祭」

もし5月に田川を訪れるなら、絶対に見ておきたいのが「川渡り神幸祭(かわわたりじんこうさい)」です。約470年前、地域に疫病が流行した際にその平癒を祈願して始まったとされる伝統行事で、福岡県の五大祭りの一つに数えられています。​

見どころはなんといっても、きらびやかな神輿と山笠が、男たちの手によって彦山川(ひこさんがわ)の中へと入っていく豪快なシーン。水しぶきを上げながら川を渡る姿は圧巻で、毎年多くの観光客を魅了しています。

毎年5月の第3土曜日とその翌日の日曜日に開催されており、この時期に合わせて旅行の計画を立てるのもおすすめですよ。

▼川渡り神幸祭の基本情報

項目内容
日程例年5月の第3土曜日・日曜日
場所風治八幡宮周辺および彦山川周辺​
最大の見どころ神輿と山笠が川を渡る「川渡り神事」​
歴史永禄年間から続く約470年の伝統​

地元民に愛され続ける「田川グルメ」を味わう

かつて炭坑夫たちが過酷な労働の後に求めたのは、安くて栄養があり、お腹いっぱいになる食事でした。

そんな歴史から生まれた田川のグルメは、今も地元の人々の胃袋をガッチリと掴んで離しません。飾らないけれど温かい、田川ならではの「うまいもん」を紹介します。

スタミナ満点!野菜とモツの旨味が溶け合う「田川ホルモン鍋」

田川グルメの代表格といえば、なんといっても「田川ホルモン鍋」です。

炭坑夫たちのスタミナ源として愛されてきたこの料理は、鍋という名前ですが汁気が少なく、鉄板で炊き上げるのが特徴。新鮮なホルモンとたっぷりの野菜(キャベツやニラなど)を特製のタレで煮込むように焼き上げます。​

お店によって味付けはさまざまですが、ピリ辛の味噌ダレや醤油ダレが食欲をそそり、ご飯もお酒も止まらなくなる美味しさ。セメント袋で焼肉をしていたという逸話が残るほど、田川の人々にとってホルモンは生活に根付いたソウルフードなのです。

▼田川ホルモン鍋の特徴

特徴詳細
調理スタイル中央がくぼんだ独特の鉄鍋で、野菜の水分で炊き上げる​
味わい濃厚なタレと野菜の甘みがホルモンの旨味を引き立てる​
シメの楽しみ残ったタレにうどんやご飯を入れて最後まで味わい尽くす​

独自の進化を遂げたソウルフード「筑豊ラーメン」と「立食いうどん」

ラーメン好きなら一度は食べておきたいのが「筑豊ラーメン」です。

豚骨ベースのスープですが、博多ラーメンよりも少しこってりとした濃厚な味わいが特徴と言われています。これもまた、汗を流して働く人々が塩分とエネルギーを求めた歴史の名残かもしれません。

また、意外と知られていないのが「うどん」文化。特に田川伊田駅などの立ち食いうどんは、忙しい合間にサッと食べられるファストフードとして長年愛されてきました。

柔らかめの麺に優しい出汁が染み渡る一杯は、どこか懐かしくホッとする味わいです。

▼麺文化の楽しみ方

ジャンル特徴
筑豊ラーメン濃厚な豚骨スープに、細麺〜中細麺が絡む一杯​
山小屋ラーメン田川郡香春町発祥、全国展開する筑豊ラーメンの代表格​
立食いうどんドライブインかわらなど、歴史ある名店で食べる優しい味​

旅の思い出を持ち帰る、「黒ダイヤ」羊羹と特産品

美味しい食事のあとは、お土産選びも楽しみのひとつ。

田川ならではの銘菓として有名なのが「黒ダイヤ」です。かつて「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭をモチーフにした羊羹で、その真っ黒な見た目とは裏腹に、上品な甘さが口いっぱいに広がります。​

また、地元で採れた野菜や加工品が集まる道の駅や直売所も見逃せません。パプリカやホルモン鍋のセットなど、自宅に帰ってからも田川の味を楽しめる商品がたくさん並んでいます。

▼おすすめのお土産

商品名特徴
黒ダイヤ石炭をイメージした黒い羊羹。インパクト大で話のネタに​
チロルチョコ実は田川が製造拠点。アウトレット店でお得に購入可能​
ホルモン鍋セット名店の味をそのまま自宅で再現できる冷凍セット​

週末にふらっと巡る、田川満喫モデルコース

田川市は、産業の歴史に触れられる場所と、ご当地の食が近い距離にまとまっているのが魅力です。

ぜひ次の週末にでも、田川の魅力を満喫してみてはいかがでしょうか。なお、営業時間や定休日は変わることがあるため、当日は各施設の公式情報もあわせて確認してください。

歴史散策とご当地グルメを楽しむ、大人の日帰りプラン

▼田川での日帰りプラン例

午前は、田川らしさが一番伝わる「石炭記念公園」と二本煙突からスタートすると、街の空気がつかみやすくなります。そのまま公園内(周辺)の田川市石炭・歴史博物館へ移動し、展示を見てからランチに向かう流れがきれいです。

午後はご当地グルメでしっかり満たし、帰りにお土産を選ぶと「田川に来た感じ」が残ります。​

▼日帰りの回り方(目安)

時間帯過ごし方
午前二本煙突・石炭記念公園を散策する​
昼前後田川市石炭・歴史博物館で展示を楽しむ​
ランチ田川ホルモン鍋、筑豊ラーメン、うどんなどを味わう​
午後余裕があれば季節のイベントも視野に入れる(5月第3土日など)​
帰り「黒ダイヤ」など田川らしい手土産を選ぶ​

炭坑の景色を見てから食を楽しむ流れにすると、「なぜこの街にこういう味が根付いたのか」が自然に腑に落ちます。もし5月の第3土日を狙えるなら、川渡り神幸祭と組み合わせるだけで、日帰りの満足度が一段上がります。

まとめ

福岡県の中央に位置する田川市は、かつての炭都としての熱気と、現代の穏やかな時間が同居する不思議な魅力を持った街です。

圧倒的な存在感を放つ二本煙突やユネスコ記憶遺産である山本作兵衛の記録画は、訪れる人に日本の近代化を支えた人々の息遣いを伝えてくれます

一方で、スタミナ満点のホルモン鍋や筑豊ラーメンといった食文化は、飾らない地域の人情そのもののような温かさで、旅の疲れを心地よく癒してくれます。​

歴史を知り、アートに触れ、美味しいものを食べて元気をチャージする。次の休日は、そんな大人の好奇心を満たす田川市へ出かけてみてはいかがでしょうか。

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ミエルネ編集部丨執筆協力:先進会眼科 福岡飯塚 / 岡 義隆

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