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メガネの度数と視力は違う?混同しがちな2つの違いと正しいメガネ選びのポイント

最近、「遠くの文字が見えづらい」「夕方になると目が疲れる」と感じたとき、まず思い浮かぶのが“メガネを作る”という選択肢です。しかしその際、「視力が0.3だから、この度数のメガネにすればいい」と考えていませんか?

実は、視力とメガネの度数は同じものではなく、それぞれまったく異なる意味を持っています。見え方を正しく整えるためには、この違いを理解しておくことがとても大切です。

この記事では、視力と度数の関係をわかりやすく解説するとともに、自分に合ったメガネの選び方や、合っていないメガネによる不調のリスク、正しい検査や処方の受け方までを丁寧にご紹介します。

視力と度数の違いって?まずは基本を知ろう

「最近、目が見えにくくなってきたかも…」と感じたとき、多くの方がメガネを検討し始めます。その際に出てくるのが「視力」と「度数」という言葉。なんとなく似た意味に思えますが、実はこの2つはまったく別のものです。

ここでは、まず視力と度数の基本的な違いを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

「視力」とは?目がどれくらい見えているかを示す指標

視力とは、目がどれほど鮮明に物を認識できるかを示す数値です。日本では視力表を用いて「裸眼視力」や「矯正視力」が測定されます。

たとえば視力1.0とは、5メートル先にある標準のランドルト環(Cの形の記号)を正確に判別できる状態を指します。

視力の種類とその意味

視力の種類内容
裸眼視力矯正していない状態での視力
矯正視力メガネやコンタクトレンズで補正したあとの視力
最良矯正視力最適な度数で補正したときに得られる最大の視力

視力は0.1や1.0のように数値で表されますが、同じ視力でも見え方には個人差があります。これは、目の構造や脳の処理能力にも影響されるからです。

視力は「いまどれだけ見えているか」という“結果”を表す指標と覚えておきましょう。

「度数」とは?見えにくさを補うためのレンズの強さ

一方、度数は視力の低下を補正するためのレンズの屈折力を数値化したものです。単位は「D(ディオプトリー)」で表され、数値が大きくなるほど補正の強さが増します。

近視・遠視の度数例と目安

度数の例意味
-1.00D軽度の近視
-3.00D中等度の近視
+2.00D中等度の遠視
±0.00D正視(矯正の必要なし)

乱視の補正には「C(円柱度数)」や「AX(軸)」といった追加情報が必要となります。また、視力と違って、度数は目の屈折異常の度合いを示すため、「なぜ見えにくいのか」に着目した補正値である点がポイントです。

このように、度数は“目の状態を補正するための設計値”であり、視力とは目的がまったく異なります。

視力が同じでも度数は違う?その理由を解説

「視力0.3の人は、みんな同じメガネを使えばいいのでは?」と思われがちですが、実際にはそうとは限りません。視力が同じでも、必要な度数は人によって異なります。

これは、視力低下の要因が「近視」か「乱視」か、また「遠視」や「調節力の違い」など多岐にわたるためです。

視力と度数が一致しない主な理由

要因内容
屈折異常の種類近視・遠視・乱視などで度数の設計が異なる
調節力の差年齢や生活習慣によりピント調整能力に差がある
両眼のバランス左右で視力・度数が異なるケースも多く、バランス補正が必要
脳の処理の影響視覚情報の処理能力により「見え方」に差が生じることがある

そのため、視力検査だけでは正確な度数を判断することはできず、度数は「どう補正するか」、視力は「どれくらい見えているか」という性質の違いを正しく理解することが大切です。

視力と度数は“似て非なるもの”。この違いを理解することが、最適なメガネ選びの第一歩です。

自分に合った度数を知るには?検査と処方の流れ

視力が落ちたと感じたとき、メガネを作る前に必要なのが「自分に合った度数を知ること」です。しかし、「どこで検査すればいいの?」「処方箋って難しそう…」と不安を感じる方も多いはず。

ここでは、検査を受ける場所の違いや、処方箋の見方、定期的なチェックの大切さについて、わかりやすく解説していきます。

眼科とメガネ店、どちらに行くべき?検査の違いと特徴

メガネを作るための検査には、「眼科」と「メガネ販売店(眼鏡店)」の2つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、目的によって使い分けることが大切です。

眼科とメガネ店の検査の違い

項目眼科での検査メガネ店での検査
医師の有無眼科医が常駐し、医学的な診断が可能医師はいない(視力測定スタッフ)
主な目的病気の有無の確認と処方メガネ作成に必要な度数の測定
所要時間比較的長い(問診・検査含む)比較的短時間で完結
検査の信頼性高い(細かい診断が可能)測定中心で処方の詳細までは行わない

「見えにくさ」の原因が単なる屈折異常(近視・遠視など)か、それとも眼病などによるものかを判断するには、まず眼科の受診が推奨されます。特に初めてメガネを作る方や、見え方に急な変化があった場合には、眼科でしっかりと検査してもらうことが安心です。

「見えるようにする」だけでなく、「目の健康」を守るという視点で、検査機関を選びましょう。

処方箋の見方がわかると安心!記号と数値の読み解き方

メガネを作る際には、「眼鏡処方箋(めがねしょほうせん)」をもらうことがありますが、そこには専門用語が並んでおり、最初は戸惑うかもしれません。基本的な用語と意味を知っておくと、自分の目の状態をより正確に理解できます。

処方箋に書かれる主な項目と意味

記号名称内容
S球面度数(Sphere)近視や遠視の度合い(±の符号に注意)
C円柱度数(Cylinder)乱視の度数(乱視がある場合に記載)
AX軸(Axis)乱視の方向(0~180°で示される)
PD瞳孔間距離(Pupillary Distance)両目の間の距離(メガネの中心位置に影響)

たとえば、以下のように記載されます。

  • S -2.00 → 軽度の近視
  • C -0.75 AX 180 → 軽度の乱視があり、軸は水平方向

CやAXが記載されている場合は乱視があることを示しており、それに応じたレンズ設計が必要になります。

何年も度数が変わっていない?定期的なチェックが必要な理由

「前回の検査から3年以上経っているけど、今もよく見えるし大丈夫かな…」そんなふうに思っている方も少なくありません。しかし、度数は年齢や生活習慣によって少しずつ変化していくものです。

とくに以下のような変化がある場合は要注意です。

度数変化のサインとチェックタイミング

変化の兆候見直しのサイン
運転中に標識が見づらくなった視力低下または度数不足の可能性
長時間のPC作業で目が疲れる度数過剰・乱視未補正などの可能性
メガネが合っていない感じがするレンズの中心ズレ・度数変化の可能性

また、加齢によって調節力が落ちる「老視(老眼)」が進行するため、40代以降はとくに度数の見直しが重要です。

一般的には1〜2年に一度の検査が理想とされていますが、デスクワークで毎日目を酷使している人は1年に1回程度、それ以外の方は2〜3年に1度程度のメガネ店での視力検査が推奨されます。とは言え、気になることがあれば、その時点で早めに検査を受けることが大切です。

合わない度数のメガネをかけ続けるとどうなる?

メガネをかけているのに「なんだか疲れる」「ピントが合いづらい」と感じることはありませんか?それはもしかすると、今使っているメガネの度数が合っていないサインかもしれません。

ここでは、度数が合わないメガネを使用し続けた場合に起こりうる不調やリスク、特に注意が必要な人について詳しく解説します。

「目が疲れる」「ピントが合わない」などの不調が起こる

合わない度数のメガネをかけ続けると、視界がぼやけたり、ピント合わせに無理が生じることで、さまざまな身体的不調を引き起こすことがあります。

度数が合っていないときに起こる主な不調

症状原因と説明
目の疲れ(眼精疲労)無意識にピントを合わせようと目が頑張ってしまう
頭痛過度な目の緊張が脳にも影響を及ぼすことがある
ぼやけ感・にじみ感正しく焦点が合っておらず、視界が常に不安定になる
肩こり・首の痛み姿勢が悪くなったり、無理な見方で体に負担がかかる

このような不調は、長時間パソコンやスマートフォンを使う人に特に起こりやすく、日常生活や仕事のパフォーマンスに大きな影響を与えます。

「慣れたから平気」ではなく、身体が無理をしていないかを意識することが大切です。

慣れればOKじゃない?身体が頑張っているサインかも

新しいメガネを使い始めたときに「最初は違和感があったけど、慣れたから大丈夫」という声をよく聞きます。しかし、“慣れた”という状態は、身体が無理やり適応しているだけの可能性があります。

人間の脳や視覚は非常に柔軟で、多少のズレであれば補正して見えてしまいます。ただし、この“補正”にはエネルギーが必要で、長期的には目や脳に負担がかかります。

「慣れ」と「無理な適応」の違いのポイント

観察ポイント慣れではなく適応かも?
違和感がずっと残る数日以上たっても疲れやぼやけ感が取れない
外すとすごくラクに感じるメガネを外すと頭痛や疲れが軽減される
集中力が続かない読書や作業に集中しにくく、休憩が増える

一時的な違和感は問題ありませんが、数日経っても症状が改善しない場合は、度数が合っていない可能性を疑うべきです。

“慣れ”に頼りすぎず、「本当に今のメガネが合っているか」を見直すことが、快適な視生活への第一歩です。

子ども・高齢者は要注意!合わないメガネのリスク

合わないメガネの影響を受けやすいのが、視機能が発達途中の子どもや、視力の変化が出やすい高齢者です。これらの年代では、度数のわずかなズレが大きな負担となり、深刻な影響を及ぼすこともあります。

年代別に見る合わないメガネの影響例

年代起こりやすい影響と注意点
子ども視力の発達が妨げられる、弱視や斜視を見逃す可能性
60代以上視力変化の進行に気づかず転倒リスクが増加することもある
全世代共通調整力の低下により、過矯正や未矯正による負担が蓄積しやすい

特に子どもの場合、正しい度数のメガネをかけないことで視覚の発達が阻害されるリスクがあるため、学校の視力検査だけで安心せず、専門機関での定期的なチェックが重要です。

年齢やライフステージに応じた度数の見直しが、視力と健康を守るカギになります。

自分に合ったメガネを作るために大切なこと

視力検査や度数の理解だけでなく、実際に「自分に合ったメガネを作る」ためにはいくつかのポイントがあります。生活スタイルや目的に応じてレンズやフレームを選び、快適で負担のない“見え方”を実現するために、ここではその具体的な工夫をご紹介します。

使い方に合った度数が快適さのカギ

メガネの度数は、ただ「よく見える」だけではなく、どういう場面で使うかによって適したものが変わります。

たとえば、パソコン作業中心の人と、屋外での運転が多い人では、求められる見え方がまったく異なります。

シーン別・おすすめの度数設定例

利用シーン度数調整のポイント
運転や外出中心遠くをはっきり見える度数(視力1.0前後)
デスクワーク中心近距離に合わせてやや弱めの度数で目の疲れを軽減
読書・スマホ中心手元用メガネ(老視対策含む)や多焦点レンズが有効
多目的に使いたいバランス重視の度数設定や中間距離対応のレンズを選択

特に近年は、在宅勤務やスマホ時間の増加により、長時間近くを見る作業が増えている傾向があります。度数が強すぎると疲れやすくなるため、場面に応じた使い分けが重要です。

フレーム・レンズ選びも意外と重要!見え方との関係とは

メガネ選びで「見た目」だけを重視していませんか?実は、フレームやレンズの選び方によって、見え方やかけ心地が大きく左右されます。

フレームとレンズの選び方のポイント

項目注目ポイントと理由
フレームのサイズ顔の大きさや目の位置に合ったものを選ぶと見え方が安定する
鼻パッド高さ調整可能なものはレンズ位置のズレを防ぎやすい
レンズの素材薄型・軽量タイプは長時間でも負担が少ない
レンズ設計単焦点、遠近両用、中近両用など生活に合ったタイプを選ぶ

例えば、目の中心とレンズの光学中心がずれていると、視界が歪んだり疲れの原因になったりします。そのため、フレーム選びも「かけたときに目の位置がどこに来るか」がとても重要です。

また、ライフスタイルに合わせてブルーライトカットや調光レンズなどを選ぶと、さらに快適さがアップします。

見え方・かけ心地・疲れにくさ。この3つがそろってこそ、本当に“自分に合ったメガネ”です。

メガネ購入前に確認したいチェックポイント

メガネは“見た目”だけでなく、“正しく見えるかどうか”が最も大切です。買ってから「やっぱり合わなかった…」とならないために、購入前にしっかり確認しておきたいポイントをまとめました。

メガネ購入前に確認したいポイント

  • 眼科または信頼できる店舗で度数測定を受けた
  • 生活スタイルに合った度数やレンズを選んだ
  • フレームのサイズが顔や目に合っている
  • 試着時に違和感や視界のゆがみがないか確認した
  • レンズの種類(単焦点/遠近など)を目的に応じて選んだ
  • 素材や重さが負担にならないかチェックした
  • アフターサポートがある店舗で購入した

一度購入したら長く付き合うことになるメガネ。購入前の“ひと手間”が、その後の見え方と快適さに影響します。「買ってよかった」と思える1本を選ぶには、自分の目と生活に真剣に向き合うことが大切です。

まとめ

視力と度数は、似ているようでまったく異なる概念です。視力は「どれだけ見えているか」を示す数値であり、度数は「どのくらい見えにくさを補うか」を表すレンズの強さです。この違いを正しく理解することが、自分に合ったメガネを選ぶ第一歩となります。

メガネを作る際には、眼科や専門店で正確な検査を受け、処方内容を理解しておくことが大切です。そして、度数は年齢や生活環境によって変化するため、定期的な見直しも欠かせません。

また、見え方の快適さは度数だけでなく、使用目的やライフスタイルに合った設計、フレームやレンズの選び方にも左右されます。「よく見える」だけでなく、「長く快適に使える」ことを意識して、丁寧にメガネ選びを行いましょう。

正しい知識と意識を持つことで、あなたにとって本当に心地よい一本に出会えるはずです。

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