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コンタクトレンズをつけたままお風呂に入っても大丈夫?知らないと怖い目のトラブルと正しい対処法

ミエルネ編集部丨執筆協力:先進会眼科 福岡飯塚 / 岡 義隆

先進会眼科 福岡飯塚(岡眼科クリニック)のオウンドメディア「ミエルネ」では、「見える感動」をテーマに視力に関連した情報を発信しています。 メディア編集長は薬機法・医療法のYMAA個人認証マーク資格を取得しており、先進会眼科の執筆協力を得ながら信頼できる記事を読者にお届けします。

毎日のように使うコンタクトレンズ。装着したままお風呂に入ってしまったこと、あるいは「少しくらいなら大丈夫かな?」と迷った経験はありませんか?

実は、たった一度の入浴でも、目のトラブルにつながる可能性があります。水道水に含まれる微生物や、湯気・乾燥の影響は、コンタクトをつけている目にとって見逃せないリスクです。

この記事では、「コンタクトレンズをつけたままお風呂に入っても大丈夫なのか?」という疑問に、目の健康を守る視点から丁寧にお答えします。避けるべき理由やトラブルの例、外せない時の対処法まで、日常で役立つ実践的な情報をわかりやすくまとめました。

そもそもコンタクトをしたまま入浴してもいいの?

コンタクトレンズを装着したまま入浴するのは良くない、と聞いたことはあっても、その理由をきちんと理解している方は多くありません。

ここでは、なぜNGとされているのか、レンズの種類による違い、そして心構えまで、ポイントを絞って解説します。

入浴中のコンタクト装用がNGとされる理由とは

入浴中にコンタクトレンズを装用すると、目にさまざまな負担がかかります。

見た目には清潔そうに見えるお風呂の水も、実際には雑菌や不純物が含まれており、目のトラブルにつながる恐れがあります。

▼入浴中にコンタクトを使用する主なリスク

  • 水道水に含まれる微生物が感染症を引き起こす
  • 湿度と熱によりレンズが不安定になりやすい
  • レンズに雑菌が付着しやすくなる
  • 目の乾燥や異物感が生じやすくなる

特にアカントアメーバなどの微生物は、目に入ると重度の角膜感染症を引き起こすことがあります。コンタクトをつけたままにしていると、これらの微生物がレンズと角膜の間にとどまり、感染リスクが高くなるのです。

レンズが保護してくれているようで、実際は雑菌をとどめる原因になっているという点に注意が必要です。

ハード・ソフトで違う?レンズの種類によるリスク差

コンタクトレンズは素材の違いにより、ソフトとハードの2種類に分けられます。

入浴時にどちらのほうが安全かと聞かれることがありますが、実際はどちらにも注意点があります。

▼レンズの種類による入浴時の特徴とリスク

レンズの種類特徴入浴時に考えられるリスク
ソフトレンズ柔らかく吸水性が高い水分と一緒に雑菌を取り込みやすい
ハードレンズ硬くて吸水性がない目の中でズレたり外れたりしやすい

ソフトレンズは快適さから多くの人に選ばれていますが、水を吸いやすい素材のため、入浴中に雑菌や汚れを吸収してしまう危険性があります。

一方、ハードレンズは吸水しないものの、動きやすく外れやすいという性質があり、洗顔や湯船に浸かっている最中に紛失するケースも少なくありません。

いずれのタイプも、それぞれに異なるリスクを抱えているため、「どちらなら安全」という考え方は適切ではありません。どちらを使っていても、入浴前にレンズを外すことが望ましい対応です。

「一度くらい平気」は本当?軽視できないリスク

「今日だけだから」「ちょっとシャワー浴びるだけ」といった気のゆるみで、コンタクトをつけたまま入浴してしまうことは意外と多いかもしれません。

しかし、実際には一度の使用でも目に悪影響を与える可能性があります。

▼一度でも起こりうる主なトラブル

  • 目に雑菌が入り込み、後から炎症を起こす
  • 湯気や熱でレンズが変形し、角膜に傷がつく
  • 痛みやかゆみの原因になり、装用感が悪化する

入浴直後は特に異常を感じなくても、時間が経ってから違和感や充血、軽い痛みが出てくる場合があります。

これを繰り返すと、目の表面が傷つきやすくなり、レンズの装用自体が難しくなることもあるため、わずかなリスクでも見過ごさない姿勢が大切です。

入浴中に起こりうる目のトラブルとは

コンタクトを装着したままお風呂に入ると、思わぬ目のトラブルを引き起こすことがあります。ここでは、実際に起こりうるリスクを3つの視点からご紹介します

お風呂の水に潜む“見えない脅威”とは

湯船やシャワーの水は清潔な印象がありますが、実際には微生物や不純物が完全に除去されているわけではありません。

この“見えない脅威”が、コンタクト装用中の目には深刻な影響を及ぼすことがあります。

▼水道水に含まれるリスク要因

  • アカントアメーバなどの微生物が生息している
  • 塩素や不純物でレンズが汚染される可能性がある
  • お風呂の壁や排水口から菌が広がる可能性がある
  • 雑菌がレンズ表面に付着しやすい状態になる

特にアカントアメーバによる角膜感染症は、初期症状が出にくく、治療が難航するケースもあります。コンタクトレンズを装着した状態では、こうした菌が角膜に直接触れやすくなるため、わずかな接触でもリスクが高まります。

湯船に顔をつけていなくても、洗顔時やシャワー中に水が目に入るだけで危険が伴います。お風呂の水は見た目にきれいでも、コンタクトを装着している目にとっては安心とは言えないのです。

湯気や乾燥がレンズに与える悪影響

入浴時に気づきにくいのが、「湯気」や「乾燥」がコンタクトレンズに与える影響です。

お風呂の湿度は高いと思われがちですが、実は目の表面では逆に乾燥やレンズの変形が起こりやすい環境になっています。

▼湯気・乾燥によるレンズへの主な影響

  • 湯気の熱でレンズが変形する恐れがある
  • 水がレンズの水分量を変化させ変形させる
  • 汚れや乾燥で視界がぼやけることある
  • 目の表面が乾きやすくなり異物感が強くなる

特にソフトレンズは水分を含んでいるため、浴室の熱気によって素材が不安定になることもあります。これによってレンズが歪んだり、目の表面に密着しすぎたりすることで、痛みや強い異物感が生じることも

目の乾燥は小さな傷の原因にもなり、レンズ装用時のトラブルを引き起こす引き金になることがあります。湯気や乾燥のような目に見えない刺激でも、レンズに影響を与えることを知っておくと、入浴中の違和感の理由が見えてきます。

感染症だけじゃない!長期的なダメージのリスク

入浴中のコンタクト使用によって起こるリスクは、感染症だけではありません。

繰り返されるわずかな負担が、目にじわじわと影響を及ぼすこともあり、長期的には視力や装用感に関わる問題へと発展する可能性があります。

▼繰り返し起こることによる長期的な影響

  • 角膜に細かい傷がつきやすくなる
  • レンズ装用時の違和感が慢性化する
  • 炎症を繰り返すことで視力が低下することがある
  • ドライアイの症状が悪化しやすくなる

一度の装用では大きな問題が起こらなくても、日常的に同じ習慣を続けることで、角膜の表面が荒れたり、炎症に弱くなったりすることがあります。

これによりレンズの装用時間が短くなったり、痛みや乾きに敏感になったりと、快適に使えなくなるケースも出てきます。

コンタクト使用中でもお風呂に入らざるを得ない時の対処法

コンタクトレンズは原則として入浴前に外すことが望ましいとされていますが、外出先や旅行中など、どうしても外せない状況があるかもしれません。

ここでは、やむを得ずレンズを装着したまま入浴しなければならない場面で、目の健康を守るためにできることを具体的にご紹介します。

外せないときに実践したい最低限の対策

事情があってレンズをつけたまま入浴する場合でも、いくつかのポイントを意識するだけでリスクを減らすことが可能です。

▼外せないときに心がけたい対策

  • シャワーや湯船で目を直接こすらない
  • 目をしっかり閉じて洗顔・洗髪をする
  • お湯が目に入らないようタオルなどでガードする
  • 湯船に顔をつける行為は避ける
  • 入浴時間をなるべく短くする

とくに大切なのは「水が目に入らないようにすること」です。水道水に含まれる雑菌が目に触れないよう、なるべく目を閉じた状態で過ごす、タオルを活用するなど、物理的な遮断を意識することがポイント。

万が一水が入った場合に備え、入浴後のケアもセットで行うことが大切です。

入浴後の正しい目のケアとレンズ管理

入浴後の対応を誤ると、レンズを清潔に保てなかったり、目に違和感が残ったりすることがあります。少しの手間でも、その後のトラブルを防ぐ重要なステップになります。

▼入浴後に行いたい基本のケア

  • レンズをできるだけ早く外す
  • 目に違和感がないか静かに確認する
  • 洗浄・消毒タイプの保存液で丁寧にレンズをケアする
  • 使い捨てレンズはそのまま廃棄する
  • 目が乾燥している場合は人工涙液を使用する

とくにハードレンズや2weekタイプを使っている方は、保存液でのケアを省略しないように注意が必要です。また、目に少しでも異常を感じた場合は、すぐに使用を中止して眼科を受診してください。

どうしても不安な人におすすめの代替手段

どうしてもレンズを外せない状況が続く方や、トラブルが心配で仕方ない方には、入浴時だけ別の視力補助方法を取り入れるという選択肢もあります。

目に直接触れない方法をうまく取り入れることで、安全性を高めることができます。

▼入浴時におすすめの代替手段

  • 入浴時はメガネに切り替える
  • 視力がそこまで悪くない場合は裸眼で済ませる
  • レンズ不要な短時間入浴を心がける

特にメガネは、水がかかっても衛生的なリスクが少なく、入浴中の視力補助としては最も安全な方法です。お風呂専用の軽いフレームを用意しておくと、気軽に切り替えができるでしょう。

入浴時のコンタクト使用に関するQ&A

コンタクトユーザーにとって、「これって大丈夫?」と迷う場面は多くあります。特に入浴にまつわる疑問は身近でありながら、正しい知識が知られていないケースも少なくありません。

ここでは、よくある3つの疑問に対し、ていねいにお答えします。

使い捨てレンズならお風呂に入っても平気?

「1日使い捨てだから、そのまま入浴しても大丈夫」という声を耳にすることがありますが、使い捨てかどうかに関係なく、入浴中の装用は避けるべきです。

▼使い捨てレンズに関する注意点

  • 雑菌や汚れがレンズに付着するリスクは変わらない
  • 感染症や炎症を引き起こす可能性がある
  • レンズを通して目に雑菌が密着する恐れがある
  • 湯気や熱でレンズが変形することもある

たとえ入浴後にすぐ捨てる予定でも、その短時間で目がダメージを受ける可能性は十分にあります。

特に水道水に含まれるアカントアメーバなどの微生物は、角膜に深刻なトラブルを引き起こすことがあり、レンズの種類にかかわらず注意が必要です。

シャワーだけの日はコンタクトを外さなくても大丈夫?

湯船に浸からないシャワーだけの日なら、コンタクトを外さなくてもよいのでは…と思ってしまう方も多いかもしれません。

しかし、シャワーでも目に水が触れるリスクはゼロではありません。

▼シャワーでも起こりうるリスク

  • 水が跳ねて目に直接かかる可能性がある
  • レンズに雑菌が付着することは避けられない
  • 熱によるレンズの変形や違和感が起こることも
  • シャンプーや洗顔料の成分がレンズに残る恐れもある

シャワーで顔を洗う際に目を閉じていたとしても、完全に水の侵入を防ぐことは難しく、無意識のうちにリスクを抱えることになります。さらに、洗浄剤の成分がレンズに残ると、後から目に刺激を感じる原因にもなります。

シャワーの日でも、余裕があればレンズを外す。これを習慣にすることで、日々の目のトラブルを大幅に減らすことができます。

温泉や銭湯ではどうすればいい?注意点はある?

旅行や日帰り温泉などで、コンタクトの扱いに悩む方は多いでしょう。特に温泉や銭湯は水質が特殊なため、注意すべき点がいくつもあります。

▼温泉・銭湯での注意点

  • 成分の強い温泉水が目にしみることがある
  • 高温でレンズが変形しやすい
  • 不特定多数が利用するため雑菌リスクが高い
  • レンズの紛失・ずれのリスクも大きい

温泉には硫黄や塩分などの成分が含まれており、目に入ると強い刺激になります。加えて、湯気や高温の影響でレンズが不安定になりやすく、外れてしまうケースも見られます。

また、多くの人が利用する場所である以上、感染症のリスクも通常のお風呂より高くなります。

こうした場所では、事前にレンズを外し、必要ならメガネを使うのが理想的です。少し手間でも、快適に過ごすためには事前の準備が安心につながります。

まとめ

コンタクトレンズを装着したままの入浴は、目にとってさまざまなリスクを伴います。水道水に含まれる微生物や湯気による乾燥、レンズの変形といった要因が重なることで、感染症や炎症、視力への影響に繋がる可能性もあります。

これは使い捨てレンズであっても、シャワーだけの日でも、安全とは言い切れません。どうしても外せない場合は、目に水が入らないように注意し、入浴後は早めのケアを心がけることが大切です。

何気ない日常のひとコマでも、目の健康を守る意識を持つことが、快適で安心なコンタクトライフにつながります。毎日の小さな配慮が、長くトラブルなく使い続けるための基本となるでしょう。

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ミエルネ編集部丨執筆協力:先進会眼科 福岡飯塚 / 岡 義隆

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