最近、手元のスマホも、少し離れた文字も見えづらい…。しかも乱視もあって、合うコンタクトレンズが見つからない。そんなお悩みはありませんか?
「遠近両用」「乱視用」「ワンデー」の3つをすべて満たすレンズを探している人は多いものの、実は2025年10月現在、日本ではその条件を満たす製品は発売されていません。
この記事では、海外で登場した最新情報から、今すぐ日本で使える代替レンズ、選び方や慣れ方まで、視界を快適にするためのヒントをわかりやすくご紹介します。自分にぴったりのコンタクトレンズを見つけたいあなたに、今役立つ情報を丁寧にお届けします。
遠近両用・乱視用ワンデーコンタクトは、今はまだ日本で買えない?
遠くも近くも見えにくくなってきたうえに乱視もある。そんな視力の悩みを、ワンデータイプのコンタクトレンズ1枚で解決できたら――と考える人は少なくありません。
ただし、2025年10月現在、日本では「遠近両用・乱視用・ワンデー」の3要素をすべて備えた製品は手に入りません。ここではその背景や今後の見通しをわかりやすく紹介します。
海外ではすでに登場!アキュビューの新しいワンデーレンズ
海外では2025年6月、アメリカやカナダで「アキュビュー オアシス MAX 1-Day Multifocal for Astigmatism」が登場しました。
遠近の見え方をサポートするマルチフォーカル構造と、乱視補正のためのトーリック設計を1枚に搭載したワンデータイプです。
▼アキュビューの新レンズの特徴(海外版)
- 遠近どちらも見えやすいマルチフォーカル設計
- 乱視を補正する安定したトーリック構造
- 毎日清潔に使える1日使い捨てタイプ
国内未発売であることを考えると、まだ使えないのは残念ですが、視力の悩みを抱える多くの人にとって、ようやく登場したこと自体が朗報です。
日本で買えないのはなぜ?レンズ設計の難しさとニーズの問題
このレンズが日本で販売されていないのは、単に新しいからではありません。製品化には高い設計技術と、販売後の装用安定性が求められます。
▼日本未発売の主な理由
- マルチフォーカルとトーリックを両立する構造が非常に複雑
- 目の中でレンズが安定しないと、見え方が不安定になりやすい
- 高価格帯かつニーズが限られるとされ、市場投入のハードルが高い
技術的な問題だけでなく、ビジネスとしての成立性も考慮されているため、国内投入には慎重な姿勢が続いています。
日本でこのレンズがまだ手に入らないのは、技術的にも売る側の事情としても、いくつかのハードルがあるからです。
国内発売の予定は?これからに期待したいこと
アキュビューのこのレンズが日本でも販売されるかどうかは、2025年10月時点では明言されていません。
ただし、過去の流れをふまえると、数年遅れての国内展開も充分考えられます。
▼今後に期待できる理由
- アキュビュー製品は日本でも広く展開されている
- 遠近両用や乱視用の需要が年々増加している
- 日本市場向けの製品化に向けた調整の可能性あり
発売のタイミングは未定でも、必要とする人が確実にいる以上、今後の導入に期待が高まるのは自然な流れです。
【今すぐ試せる】遠近両用+乱視用コンタクトのおすすめ代替アイデア
「今すぐ使えるレンズはないの?」という方のために、国内で手に入る遠近両用や乱視用のコンタクトレンズを組み合わせる方法をご紹介します。
ワンデーが希望の方も、2週間タイプやハードレンズでもっとしっかり見たい方にも、それぞれに合った代替方法があります。
メニコン プレミオ(2week)は、遠近も乱視もカバーできるレンズ
日本で「遠近両用」と「乱視用」の両方に対応するシリコーンハイドロゲル2週間交換レンズは、「メニコン プレミオ 遠近両用トーリック」だけです。
ワンデータイプではありませんが、近くも遠くも見えやすく、乱視も安定して補正できる設計になっています。
▼メニコンプレミオの特徴
- 遠近の見え方に対応したマルチフォーカル構造
- レンズがズレにくいトーリック設計で乱視を補正
- シリコーンハイドロゲル素材で酸素透過性が高い
- 2週間交換タイプでコストを抑えやすい
使用者からは「視界が自然」「乾燥しにくい」など、長時間の装用でも快適だったという声が多く、ワンデー以外でも快適に使いたい人には有力な選択になるレンズです。
ワンデー派にはこれ!乱視用ワンデー+モノビジョン処方の組み合わせ
どうしても毎日使い捨てのワンデーがいいという方には、「乱視用ワンデー+モノビジョン処方」という方法があります。
これは左右の目に異なる役割を持たせて、片方で遠くを、もう片方で近くを見るように調整する方法です。
▼おすすめの乱視用ワンデー製品(一例)
- ワンデーアキュビュー オアシス 乱視用
- デイリーズ トータルワン トーリック
この方法は眼科での装用指示書が必須で、視力バランスの調整には少し慣れが必要です。
ただ、ワンデータイプの手軽さを保ちながら、遠近の見え方もある程度補えるため、日常的に近くと遠くを切り替えて見ることが多い人に向いています。
遠近両用ハードコンタクト|乱視矯正力が高く、酸素透過性も優秀
「見え方の安定性を優先したい」という方には、遠近両用のハードコンタクトレンズ(RGPレンズ)もおすすめです。
ソフトレンズよりもレンズが硬く、乱視の矯正力が高いのが特徴です。
▼ハードレンズのポイント
- 角膜の形をレンズでしっかり補正できる
- 遠近両用の設計で視界がクリアに保たれやすい
- 長時間の装用でも酸素をしっかり通す
- 使い捨てではないので、コスト面では経済的
もちろん、慣れるまでに時間がかかる人もいますが、一度合えばクリアな視界と安定した見え方を得られるため、医師と相談しながら試してみる価値はあります。
遠近両用・乱視用コンタクトってどんなレンズ?
「遠くも近くも見えにくい」「しかも乱視もある」——そんな悩みを同時にサポートするコンタクトレンズがあったら、毎日がぐっと楽になりますよね。
ここでは、遠近両用や乱視用のレンズがそれぞれどう働くのか、そして両方を一枚のレンズでカバーする難しさについて、わかりやすくお伝えします。
遠くも近くも見やすい「マルチフォーカル」って?
マルチフォーカルとは、1枚のレンズに複数の度数が組み込まれている構造のこと。遠くを見るための度数と、近くを見るための度数がレンズ内で切り替わるように設計されています。
▼マルチフォーカルの特徴
- 手元の文字と遠くの景色、どちらにも対応できる
- 老眼が進行しても、メガネをかけ外ししなくて済む
- 装用時は、視線の動きや脳の慣れによって自然にピント調整される
初めて使うと「視界が少しぼやける」と感じる方もいますが、使い続けるうちに脳がピントの切り替えに慣れていくため、多くの人が数日〜数週間で快適に使えるようになります。
乱視を補正する「トーリックレンズ」のしくみ
乱視用のコンタクトレンズには、「トーリック設計」と呼ばれる特殊な構造が使われています。これは、角膜のゆがみ(ゆるやかなひずみ)を補正するための設計です。
▼トーリックレンズのしくみ
- 度数が方向によって変わる非対称のレンズ形状
- レンズが回転しにくいよう、位置を安定させる工夫がある
- 目のひずみに合わせて、的確に光を網膜に届ける
この設計によって、遠くの文字がにじむ・二重に見えるといった乱視特有の症状を軽減できます。ただし、正しい位置でレンズが安定していないと効果が出にくいため、フィッティングがとても重要です。
なぜこの2つを1枚にするのがむずかしいの?
遠近両用と乱視用、それぞれの技術を1枚に詰め込むのは、設計と安定性の両面でとても高いハードルがあります。
▼遠近両用+乱視用の難しさ
- 度数が複数あるうえ、角膜のゆがみまで補正する必要がある
- レンズの位置がズレると、遠近の見え方も乱視補正も不安定になる
- 正しく機能させるには、高度な設計と精密なフィッティングが必須
特にワンデータイプでは、薄さや使い捨て構造の中で、どれだけ安定して機能させられるかが大きな課題です。そのため、製品化されるまでに時間がかかり、日本ではまだ登場していないのが現状です。
自分にぴったりのコンタクトレンズを選ぶには
遠近両用や乱視用など、コンタクトレンズにはさまざまなタイプがありますが、大切なのは自分に合ったレンズを選ぶこと。
見え方や装用感は人によって異なるため、まずは眼科できちんと診てもらい、ライフスタイルに合わせて検討していくことが大切です。
ここでは、選ぶときに確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
はじめに眼科へ。装用指示書をもらうことが大切
コンタクトレンズを選ぶ際には、まず眼科で検査を受け、「装用指示書(指示書)」を発行してもらうことが基本です。
これは、自分の目の状態に合ったレンズの種類・度数・カーブなどを示した「レンズの使用許可証」のようなものです。
▼装用指示書でわかること
- 使用できるコンタクトレンズの種類と度数
- 角膜のカーブや乱視の有無など目のデータ
- 装用時間や使用方法に関する医師の指導
市販で手軽に購入できる製品もありますが、自己判断での購入は目のトラブルにつながるリスクもあるため、必ず眼科での処方・指導を受けてから選ぶようにしましょう。
自分の生活スタイルに合うレンズはどれ?
コンタクトレンズは「見え方」だけでなく、毎日の使いやすさやライフスタイルとの相性もとても大切です。
仕事・趣味・目の疲れやすさなどをふまえて、自分に合うタイプを見つけましょう。
▼ライフスタイル別|おすすめのコンタクトレンズタイプ
| ライフスタイルの特徴 | おすすめのレンズタイプ |
| 毎日レンズケアをしたくない | ワンデータイプが手軽で衛生的 |
| パソコンやスマホをよく使う | 乾きにくい素材のソフトレンズ |
| 毎月のコストをできるだけ抑えたい | 2WEEKタイプやハードレンズが経済的 |
| 出張や旅行が多い | 管理が簡単な使い捨てレンズが便利 |
見え方が良くても、装用感や手間が合わないとストレスになります。「自分にとって無理なく続けられるか?」という視点も、レンズ選びでは重要です。
まずは試してみよう。トライアルレンズのすすめ
気になるレンズがあっても、実際につけてみないと自分に合うかどうかはわかりません。そのため、多くの眼科では「トライアルレンズ(お試し用レンズ)」を提供しています。
▼トライアルレンズを使うメリット
- 実際の見え方・装用感を確認できる
- 生活の中で自然に使えるかを試せる
- レンズの違いを比較して選びやすくなる
もちろん、トライアルは装用指示書に基づいて処方された範囲で行うものです。数日〜1週間ほど使ってみて、見え方や装用感、乾きやすさなどを確認しながら、自分にぴったりの1枚を見つけていきましょう。
遠近両用・乱視用コンタクトを初めて使う人が気になるQ&A
初めて遠近両用や乱視用のコンタクトレンズを使うとき、「ちゃんと見える?」「装着って難しくない?」といった不安があるかもしれません。
ここでは、よくある質問を3つ取り上げて、使用前のモヤモヤを解消していきます。
見え方に慣れるまで、どれくらいかかる?
遠近両用コンタクトレンズは、レンズ内に複数の度数が含まれているため、見え方に独特なクセがあります。
初めて使うと、最初は「少しぼやける」「ピントが合いにくい」と感じることも。
▼慣れるまでの目安
- 装用初日は違和感を感じる人が多い
- 数日〜1週間で見え方に慣れてくることが多い(※個人差あり)
- 脳が見え方に適応するまでに個人差がある
特にモノビジョン処方など左右で役割を分ける使い方では、最初の数日はバランスがつかみにくく感じることもありますが、眼科の指導に従って使えば徐々に慣れてきます。
大切なのは「無理せず、少しずつ慣らす」ことです。
「装用指示書」と「処方箋」のちがいは?
コンタクトレンズ購入の際に混同されがちな「装用指示書」と「処方箋」。どちらも医師が発行する書類ですが、目的と使い方が異なります。
▼装用指示書と処方箋のちがい
| 項目 | 装用指示書 | 処方箋 |
| 主な用途 | コンタクトレンズの購入・装用許可 | 医薬品の処方 |
| 発行元 | 眼科医 | 医師(内科・眼科など) |
| 有効期限 | 医師の判断による(数週間〜数ヶ月、長くても1年程度) ※処方箋(医薬品)は交付日を含めて4日以内が原則 | 期限は短め(通常は数日〜1週間) |
| 主な記載内容 | レンズの種類・度数・カーブ・使用条件 | 薬の名前・用法・用量など |
コンタクトレンズの場合は、薬ではないため処方箋ではなく「装用指示書」が必要です。お店によっては「処方箋をください」と言われることもありますが、正確には「装用指示書」であると覚えておきましょう。
安心して使うためのケアと装用のコツ
コンタクトレンズを正しく使えば、視界も快適で日常生活が楽になります。でも、取り扱いを間違えると目のトラブルにつながることも。
特に初めての方は、基本的なケアと装着時のポイントをしっかり押さえておくことが大切です。
▼初めての人に伝えたいポイント
- レンズは必ず手を清潔にしてから触る
- 決められた時間内で使用し、つけたまま寝ない
- 違和感や充血があったら、すぐに使用をやめて眼科へ
- ワンデー以外は毎日きちんと洗浄・保管を行う
どのレンズでも、「目に直接つける医療機器」であることを意識して、少しでも異常を感じたら我慢せず眼科に相談することが、安全に使い続ける一番の近道です。
まとめ
2025年10月現在、日本ではまだ遠近両用・乱視用のワンデーコンタクトレンズは販売されていませんが、海外ではすでに製品が登場しており、今後の国内展開にも期待が高まっています。
一方で、すぐに使える選択肢としては、遠近両用トーリックタイプの2WEEKレンズや、乱視用ワンデーとモノビジョン処方を組み合わせる方法、遠近両用のハードレンズなどがあります。それぞれに特徴があるため、自分の見え方や生活に合うかどうかを眼科で相談しながら選ぶことが大切です。
見え方に慣れるまで少し時間がかかることもありますが、正しい知識と使い方を知っておけば、安心して使い続けることができます。自分に合ったレンズを見つけて、毎日の見え方を快適に整えていきましょう。