「コンタクトレンズをつけたままダイビングしても大丈夫なの?」「水中で外れたり、目にトラブルが起きたりしない?」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実際、コンタクトレンズを装着してダイビングを楽しむ人は多くいますが、安全に使うためには注意すべきポイントがあるのも事実です。
この記事では、「コンタクトレンズ ダイビング」というキーワードに関心のある方へ向けて、安全な装用方法やリスク回避のコツ、代替手段までわかりやすく解説します。
コンタクトレンズでダイビングはOK?基本知識をチェック
視力が悪い人にとって、ダイビング中にコンタクトレンズを着けたままでいいのかどうかは気になるポイントです。
ここでは、コンタクト装用の可否や、メガネとの違い、適したレンズの種類など、ダイビング時に知っておきたい基本的な情報をわかりやすく紹介します。
コンタクトをしたまま潜れる?基本的な可否と理由
ダイビングでは、条件付きでコンタクトレンズの使用が可能です。特にソフトタイプのレンズは、目にしっかり密着しやすく、水中でも比較的安定して使用できます。
▼コンタクト装用が可能とされる主な理由
- マスクが水の侵入を防ぐ構造になっている
- ソフトレンズは柔らかくて目に密着しやすく外れにくい
- マスク内で目と水が直接触れない(※)
※マスクは水の侵入を防ぐ構造ですが、完全ではなく水が入ることもあります
プールではコンタクトの使用が避けられることが多いですが、それは塩素の刺激や水にいる微生物によるトラブルが起きやすいためです。一方、ダイビングでは密閉性の高いマスクを使用することで、こうしたリスクが抑えられています。
装用方法と器材の扱いに注意していれば、コンタクトをつけたままのダイビングも問題ありません。
メガネと何が違う?視力矯正の選び方とポイント
ダイビングではメガネの使用はできません。マスクは鼻まで覆うため、メガネをつけて潜ることはできないためです。
▼メガネとコンタクトの主な違い
比較項目 | メガネ | コンタクトレンズ |
マスクとの相性 | 使用不可(マスクと干渉) | 良好で干渉なし |
ズレのリスク | 使用できないため該当なし | 少なく安定している |
視界の安定性 | ダイビングでは使用不可 | 安定して視界が保たれる |
ダイビング中は、周囲の状況や手信号を瞬時に判断する必要があります。視界が乱れると安全性にも関わるため、メガネよりもコンタクトの方が実用的です。
水中での視力矯正には、快適さと安定感のある方法を選ぶことが重要です。
どんな種類が向いている?ソフト・ハード・使い捨ての違い
コンタクトレンズにはいくつかの種類がありますが、ダイビングに向いているタイプは限られています。水中での安定性や装用時の快適さが、選ぶ際のポイントになります。
▼レンズの種類とダイビングへの適性
種類 | 特徴 | 適性 |
ワンデーソフト | 使い捨てで清潔に使える | 高い |
長期使用ソフト | 手入れが必要だが装用感は良好 | 普通 |
ハードレンズ | 外れやすく水中で使うには向いていない | 低い |
水中での視力矯正には、外れにくく清潔に保ちやすいワンデーソフトレンズが選ばれる傾向があります。特に初心者や旅行先での使用には、使い終わったら捨てられる点でも安心感があります。
レンズの種類選びによって、ダイビング中の快適さが変わるため、自分に合ったタイプを見極めることが大切です。
ダイビング中のリスクとコンタクト着用時の注意点
コンタクトレンズをつけたままダイビングは可能ですが、注意すべき点がいくつかあります。特に水中という特殊な環境では、レンズのズレや外れ、感染症のリスクなど、普段とは異なるトラブルが起きる可能性があります。
ここでは、ダイビング中に起こりやすいリスクと、それに備えるための基本的な対策を紹介します。
コンタクトが外れる・ずれるのはなぜ?原因と防止策
水中でコンタクトが外れたりズレたりするのは、ダイビング中に起こるトラブルのひとつです。
その原因は、レンズの種類や装着状態だけでなく、水圧やマスク内への水の侵入など、環境的な要因も関係しています。
▼コンタクトが外れる主な原因
- レンズが目にしっかり密着していない
- マスク内に水が入り、目に直接海水が触れた
- マスクの位置がズレて水圧がかかった
- 潜水中に目を開けたままマスククリアを行った
こうしたトラブルを防ぐためには、マスクを正しく装着し、水の侵入を防ぐことが基本です。また、目を開けたままマスククリア(マスク内の水抜き)をしないように注意することも大切です。レンズがソフトタイプであっても、目に水が入れば外れるリスクはゼロではありません。
レンズのズレや脱落は、水中での視界に大きく影響します。特に初心者は、不安や焦りを感じる原因にもなるため、事前に装着感を確認し、マスクの密着具合をしっかりチェックしておきましょう。
海水や汚れによる感染リスクを防ぐには
海水には目に見えない微生物や不純物が含まれており、コンタクトを装着した状態で目に海水が入ると、角膜感染症や結膜炎などのリスクが高まることがあります。
特に、長時間装用や繰り返し使用するタイプのレンズでは注意が必要です。
▼感染リスクが高まる主な状況
- レンズに海水が直接触れた
- レンズの表面に汚れが付着したまま使用した
- 使用後に適切な洗浄・交換を行わなかった
- 長時間の装用や、複数回の再利用を行った
こうしたリスクを最小限に抑えるためには、ダイビング中のレンズ使用はワンデータイプを選び、使用後は必ず廃棄することが望ましいです。使い捨てにすることで、レンズの洗浄不足による細菌の繁殖や、付着物による刺激などを回避できます。
また、目に違和感を感じたときは無理に我慢せず、すぐにダイビングを中止してマスクを外すことも重要です。海水は一見きれいでも、不衛生な成分が含まれている可能性があると意識しておきましょう。
マスクの正しい装着と水抜き(マスククリア)のコツ
コンタクトレンズを安全に使うには、マスクを正しく装着し、水が入ってしまった場合の対処法を理解しておくことが欠かせません。
特に、マスククリア時の目の扱い方には注意が必要です。
▼トラブルを防ぐための基本ポイント
- マスクは顔にしっかり密着させる
- ベルトはきつすぎず、ずれない程度に調整
- マスククリアの際は必ず目を閉じる
- マスク内に水が溜まったら、焦らず落ち着いて対応
マスクがきちんとフィットしていれば、水の侵入を防げるだけでなく、レンズのズレや脱落も防ぎやすくなります。また、マスククリアのときに目を開けてしまうと、コンタクトに海水が直接触れてしまい、感染や紛失の原因になります。
水中でトラブルが起きたときに慌てずに対応できるよう、事前に正しいマスクの装着と水抜き方法を陸上で練習しておくことが安心につながります。コンタクトレンズの使用に不安がある人ほど、器材の扱いを丁寧に確認しておくことが大切です。
安心して楽しむために!コンタクト使用時の実践的アドバイス
コンタクトレンズを使ってダイビングを安全に楽しむには、事前の準備やダイビング中の行動がとても重要です。
ここでは、使い捨てレンズが推奨される理由や、目のケア方法、万が一に備えた持ち物まで、実際に役立つアドバイスをまとめました。
使い捨てタイプが推奨される理由とメリット
ダイビングで使うコンタクトレンズは、1日使い捨てのソフトタイプ(ワンデー)が最も推奨されています。その理由は、衛生面の安心感とトラブル発生時の対応のしやすさにあります。
▼ワンデータイプが推奨される主な理由
- 使用後にそのまま捨てられるため清潔を保てる
- 海水でレンズが汚れても再利用の必要がない
- トラブル時にも気軽に新しいレンズに替えられる
- レンズケア用品の持参が不要で荷物が減る
特に旅行中やリゾート地でのダイビングでは、レンズの洗浄や保管が難しい場面も多いため、使い捨てタイプが便利です。滞在先で衛生環境が整っていない場合でも、常に清潔なレンズを使える安心感があります。
一方で、2週間や1ヶ月タイプのレンズはコスト面では経済的ですが、洗浄不足による感染リスクや、紛失時の不便さがデメリットになります。水中での快適さと安全性を考えると、ワンデータイプの利便性は非常に高いと言えるでしょう。
ダイビング前後にやるべき目のケアとは
コンタクトを使用したダイビングでは、目に負担がかかりやすいため、前後のケアを意識することが大切です。
特に海水や水圧の影響で目が乾燥したり、違和感が残ったりするケースがあります。
▼ダイビング前後の目のケア方法
- ダイビング前は目をこすらず、異物がないか確認する
- レンズを装着したら、軽く瞬きをして位置を安定させる
- ダイビング後は清潔な手でレンズを外す
- 外した後は、防腐剤の入っていない人工涙液で目を潤す
特にダイビング後は、海水によって目の表面に見えない刺激が残っていることがあります。乾燥や軽い充血が見られる場合は、無理せず休憩を取りましょう。異物感が続く場合は、その後のダイビングを控える判断も必要です。
トラブルに備える!予備の持ち物と準備リスト
ダイビング中は突然のトラブルが起きることもあるため、事前に必要な持ち物を用意しておくことが重要です。
特にコンタクトレンズを使用している場合、予備の準備があるだけで対応力が変わります。
▼コンタクト使用者向けの持ち物リスト
持ち物 | 用途 |
予備のワンデーコンタクト | 紛失や破損に備えるため |
使い捨ての人工涙液 | 乾燥や刺激のケア用 |
清潔なハンドタオル | レンズ着脱時に手を拭く |
コンタクト用ミラー | 屋外でもレンズの着脱がしやすい |
小型ポーチまたは防水袋 | 持ち物をまとめて清潔に保つ |
また、現地でトラブルが起きた際に備え、事前に使い慣れた用品を用意しておくことも大切です。現地で購入した製品が合わず、かえって目に負担がかかることもあるため、普段から使っているブランドを持参すると安心です。
コンタクトが不安な人のための視力対策を紹介
「コンタクトレンズが怖い」「水中で外れたらどうしよう」――そんな不安を抱える人は少なくありません。
ここでは、コンタクトに頼らずに視界を確保するための方法や、初心者向けの視力対策についてご紹介します。
クリアな視界が広がる!度付きダイビングマスク
コンタクトが不安な人にとって、度付きのダイビングマスクは有力な選択肢です。視力に合わせたレンズを組み込んだマスクを使用すれば、コンタクトなしでも水中でクリアな視界を確保できます。
▼度付きマスクの主な特徴
- 水に濡れても問題なく視界を保てる
- レンズが外れたりずれたりする心配がない
- 目に異物を入れないので感染リスクが低い
- レンズ度数を左右で変えられる製品もある
度付きマスクはスポーツ用品店やダイビングショップで購入・注文でき、近視・遠視・乱視の度数にも対応しているものが多くあります。価格は数千円〜数万円と幅がありますが、繰り返し使えるため長期的にはコストパフォーマンスも悪くありません。
ただし、視力が大きく変わったときはレンズ交換が必要です。レンタルの度付きマスクも多いですが自分専用があるとさらに安心です。
初心者ダイバーにおすすめ!視力サポート方法
ダイビング初心者の中には、「水中で見えづらかったらどうしよう」と不安を感じる人も多いでしょう。視界の不安を減らすには、自分の視力に合ったサポート方法を事前に準備しておくことが大切です。
▼初心者向けの視力サポート方法
- 度付きダイビングマスクを検討してみる
- 度付きマスクをレンタルできるショップを事前に確認する
- 不安がある場合は、事前にインストラクターへ相談しておく
- 最初は浅い海域や体験ダイビングで慣れる
初心者のうちは、まず自分にとって安心して潜れる方法を見つけることが一番です。視界の確保はもちろん重要ですが、無理にコンタクトを使うよりも、度付きマスクやサポート環境を活用するほうが安全で快適に潜れます。
少しずつ経験を積みながら、自分に合ったスタイルを見つけていくことが安心につながります。
まとめ
コンタクトレンズをつけたままダイビングをすることは可能ですが、安全に楽しむためにはいくつかの注意点があります。
ソフトタイプのワンデーコンタクトを選び、マスクを正しく装着することで、ズレや外れのリスクを最小限に抑えることができます。また、海水による感染リスクを避けるためには、使用後のケアや使い捨ての徹底が欠かせません。
視力の矯正方法に正解はありませんが、自分の状況や不安に合わせて適切な方法を選ぶことが、ダイビングを安全に楽しむうえで何より大切です。不安を感じたまま潜るのではなく、事前の準備と正しい知識を持って、安心して海の世界を満喫してください。