毎日のように使っているコンタクトレンズ。使い終わった後、「これって何ゴミになるの?」「ケースやパッケージはどう捨てればいい?」と迷ったことはありませんか?
見た目が小さく軽いだけに、なんとなく処分してしまいがちですが、実は捨て方を間違えると環境への悪影響を及ぼす可能性もあります。
本記事では、「コンタクトレンズ ゴミ」という疑問にしっかりお答えするために、レンズ本体・ケース・ブリスター容器などの正しい分別方法から、環境やSDGsとの関わりまでをわかりやすく解説します。
コンタクトレンズは何ゴミ?使い終わったレンズの捨て方
日常的に使っているコンタクトレンズ。使い終わったあと「何ゴミに出せばいいの?」と迷う人も多いのではないでしょうか。ここでは、使い終わったレンズ本体の処分方法について、分かりやすく解説します。
コンタクトレンズは可燃?プラ?自治体ごとの分別ルールをチェック
コンタクトレンズは素材こそプラスチックですが、多くの自治体では「可燃ごみ」や「燃やすごみ」として処分されます。これは、リサイクルが難しい小型ごみとみなされるためです。
▼主な自治体でのコンタクトレンズの分別例
自治体 | 分別区分 |
東京都23区 | 可燃ごみ |
横浜市 | 燃やすごみ |
大阪市 | 普通ごみ |
札幌市 | 燃やせるごみ |
名古屋市 | 可燃ごみ |
素材や形状が同じでも、分別名は自治体ごとに異なります。そのため、地域のルールに沿って処分することが基本です。
「トイレに流す」は絶対ダメ!間違った捨て方のリスク
コンタクトレンズは小さいため、うっかりトイレや排水口に流してしまう人もいます。しかしこれは、環境面でも家庭内でも深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
▼トイレに流すと起きる問題
- 下水処理施設で分解されない
- マイクロプラスチックとして環境中に残る
- 海洋汚染や水質汚染の原因になる
- 配管詰まりなどの住宅トラブルに繋がる
コンタクトレンズの素材は自然分解されにくく、水環境ではほとんど分解されません。そのため、水に流すことは地球規模の問題へとつながってしまうのです。
ハード・ソフト・ワンデー…タイプ別の捨て方の違いとは
レンズの種類によって使い方は異なりますが、捨て方は基本的に「可燃ごみ」で共通しています。以下に、代表的なレンズタイプとその処分方法をまとめました。
▼コンタクトレンズの種類と捨て方の違い
種類 | 特徴 | 捨て方 |
ワンデー | 1日使い捨て型 | 可燃ごみ |
2ウィーク・月間 | 一定期間使用、洗浄が必要 | 可燃ごみ |
ハードレンズ | 長期使用タイプ(年単位) | 可燃ごみ |
素材に違いがあっても、自治体での処分区分は基本的に変わりません。ただし、ハードレンズは破損すると鋭利になることがあるため、紙などに包んでから捨てると安全です。
ケースやパッケージもゴミになる?部品ごとの分別方法
コンタクトレンズを使い終わると、レンズ本体以外にもケースやパッケージなど、さまざまな部品がごみとして出ます。
ここでは、それぞれの素材や形状に合わせた適切な分別方法について詳しく見ていきましょう。
レンズケースや保存液ボトルは何ゴミ?家庭でできる正しい分別
コンタクトレンズのレンズケースや保存液の容器も、使用後は必ずごみとして処分する必要があります。これらは見た目が似ていても、素材やサイズによって分類が異なるため注意が必要です。
▼レンズ関連アイテムの一般的な分別方法
アイテム | 素材 | 分別例(一般的) |
レンズケース | プラスチック | プラごみ |
保存液ボトル(大) | プラスチック | プラごみ |
保存液ボトル(小型) | プラスチック | 可燃ごみ |
レンズケースやボトルが「プラマーク」のある容器包装プラスチックであれば、プラごみとして出すのが基本です。ただし、中身を使い切り、水ですすいで乾燥させてから出すのがマナーです。
一方、小型ボトルや素材が不明なものは、可燃ごみとして扱う自治体もあります。そのため、迷ったときはお住まいの地域のごみ出しガイドを確認するのが確実です。
ブリスター容器・アルミ・紙箱の素材別ゴミの出し方
ワンデータイプのコンタクトレンズには、使い捨てのブリスター容器やアルミシール、紙箱といった複数の包装部品が含まれます。それぞれの素材に応じて、適切な処分を行いましょう。
▼コンタクトパッケージの素材と分別方法
部品 | 素材 | 分別例(一般的) |
ブリスター容器 | プラスチック | プラごみ |
アルミシール | アルミ | 可燃ごみ or 金属ごみ(自治体による) |
紙パッケージ箱 | 紙類 | 資源ごみ |
添付文書 | 紙類 | 可燃ごみ or 資源ごみ(状態による) |
ブリスター容器は、アルミとプラスチックで構成されていることが多いため、アルミ部分をはがして分別するのが理想です。ただし、一体型で分離できない場合は、全体を可燃ごみとして出す地域もあります。
紙箱は資源ごみとしてリサイクル可能ですが、汚れがある場合や特殊加工がされているものは、可燃ごみとして扱うこともあります。
パッケージは小さなパーツでも数が多くなりがちなので、使用後にすぐ分別する習慣をつけることがスムーズな処分につながります。
ゴミを出す前に知っておきたい!小さなパーツの扱いに注意
コンタクトレンズ周辺には、サイズが小さいために見落とされがちな部品も多くあります。これらを適当に捨ててしまうと、分別ミスや家庭内トラブルの原因になることも。
▼見逃しやすいパーツと注意点
- レンズケースのキャップ
- 保存液の内ふたやシール
- 紙箱内の透明フィルム
- 使用後の個包装フィルム
これらの小さな部品も、それぞれの素材を確認して適切に分別しましょう。とくに透明なフィルムはプラごみに該当するケースが多いですが、粘着剤が残っている場合は可燃ごみ扱いになることもあります。
また、一つ一つは小さくても、まとめて捨てると意外と多くなるのがコンタクト関連ごみの特徴です。まとめて袋に入れて捨てる際も、素材ごとの分類は忘れずに。
小さな部品ほど、正しく分別されることで資源の再利用や環境保全につながります。面倒に思えても、一つひとつの積み重ねが大切です。
知っておきたい!コンタクトレンズごみと環境への影響
コンタクトレンズは私たちの生活を快適にしてくれる反面、捨て方によっては環境への悪影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、見過ごされがちなコンタクトごみと環境問題の関係についてわかりやすくご紹介します。
マイクロプラスチックになる?コンタクトごみの環境リスク
コンタクトレンズをトイレや排水口に流してしまうと、最終的にマイクロプラスチックとして自然界に残る可能性があります。これは、下水処理施設でも完全に除去できないためです。
▼コンタクトごみが環境に及ぼす主なリスク
- 自然分解されにくく、海洋に残留する
- 魚や海洋生物が誤飲する恐れがある
- 食物連鎖を通じて人間にも影響を与える可能性
- 景観や生活環境の悪化につながる
特にコンタクトレンズは薄くて軽量なため、水に混ざりやすく、処理施設をすり抜けて海に流れ出てしまうケースがあります。こうしたごみは小さいながらも世界的に深刻な問題であり、「たかが1枚」では済まされない現実があるのです。
なぜ「ごみの出し方」がSDGsにつながるのか
SDGs(持続可能な開発目標)は、環境・社会・経済のバランスを考えながら、地球全体で持続可能な未来を目指す国際的な取り組みです。
コンタクトレンズのごみの出し方も、実はこのSDGsと密接に関係しています。
▼SDGsと関わる主な目標
SDGs目標番号 | 関連内容 |
12 | つくる責任 つかう責任:適切な廃棄物管理 |
14 | 海の豊かさを守ろう:海洋ごみ対策 |
13 | 気候変動に具体的な対策を:環境保全意識の向上 |
例えば、レンズを正しくごみとして出すことは、「海に流れ出さない」「資源を無駄にしない」という観点から、目標12と14に貢献します。また、ごみ問題への関心を持つこと自体が、気候変動への理解と行動につながる一歩になり得るのです。
レンズごみは一見小さなものですが、その捨て方ひとつで未来の環境への影響が変わると考えれば、日々の行動に対する意識も変わってくるはずです。
環境に配慮した処分法として注目されるリサイクル活動
近年では、使い終わったコンタクトレンズやパッケージを回収・再利用するリサイクル活動が注目を集めています。特にブリスター容器(プラ部分)を回収してリサイクル素材にする取り組みが広がっています。
▼主なリサイクルプログラム例(2025年10月時点)
プログラム名 | 内容 |
アイシティ ecoプロジェクト | ブリスターを全国の店舗で回収・再資源化 |
メニコン「メニコン1Caseプロジェクト」 | ケースや容器の一部を回収・再利用 |
地域イベントでの一時回収 | 市区町村が協力し、年1回などで実施 |
こうしたリサイクル活動は、単なるごみ削減にとどまらず、リサイクルの輪に自分も参加できる機会となります。また、使用済みブリスターを持参するとポイント付与などの特典があるケースもあり、無理なく参加できる仕組みも魅力です。
まとめ
コンタクトレンズは小さなアイテムですが、その捨て方には注意が必要です。使い終わったレンズ本体は、ほとんどの自治体で可燃ごみに分類されますが、地域によって分別名が異なるため、必ず地元のルールを確認することが大切です。
また、レンズケースや保存液ボトル、パッケージ類も、それぞれの素材に合わせて分別が必要です。特にワンデータイプのブリスター容器などは、自治体によって扱いが異なる場合があるため、分別の際には注意が必要です。
環境を守るためにも、日々の使い捨てを「ただ捨てる」のではなく、正しく捨てる・活かすという視点を持つようにしましょう。