コンタクトレンズは、眼鏡よりも見た目や使い勝手がよく、毎日欠かさず使っているという方も多いのではないでしょうか。けれども、「目がゴロゴロする」「最近よく充血する」など、ちょっとした違和感を感じながら使い続けていませんか?
実はその症状、コンタクトレンズが原因で起こる目の病気かもしれません。放っておくと視力低下や重い炎症につながることもあるため、早めに正しい知識を知っておくことが大切です。
この記事では、コンタクトレンズによって起こりうる主な病気やその症状、予防のための正しい使い方、そして異変に気づいたときの対処法まで、わかりやすく解説します。毎日安心してコンタクトレンズを使うために、ぜひ最後までご覧ください。
コンタクトレンズ使用と目の病気の関係
コンタクトレンズは便利な反面、使い方を間違えると目にトラブルを起こすことがあります。目の病気を防ぐためにも、原因やサイン、そしてリスクのある使い方をしっかり知っておきましょう。
なぜコンタクトレンズで目の病気が起こるの?
コンタクトレンズは目に直接つけるものなので、ちょっとしたことでも目の健康に影響が出やすくなります。特に、酸素が足りなくなったり、雑菌が入ったりすると、病気につながることがあります。
▼主な原因と目への影響
原因 | 目への影響 |
酸素不足 | 角膜が弱まり感染しやすくなる場合がある |
雑菌の繁殖 | 細菌やカビで炎症が起きる |
レンズの物理刺激 | 角膜が傷つく場合がある |
こうしたリスクは、日々のちょっとした油断から起こります。安全に使うためには、レンズは目の中で起きるトラブルの入り口にもなるという意識を持つことが第一歩です。
初期症状を見逃さないために知っておくべきこと
目の病気は、軽い違和感から始まることがほとんどです。でも、なんとなく疲れてるだけかなと放っておくと、悪化してしまうことも少なくありません。
▼気をつけたい初期のサイン
- 目が赤く充血している
- まばたきすると痛みがある
- 視界がかすむことがある
- 涙が勝手に出る
- レンズをつけると違和感がある
これらのサインに早く気づければ、重症化を防げる可能性が高くなります。違和感を感じたときは、無理に我慢せず、まずはレンズの使用を中止して様子を見ることが大切です。
病気のリスクが高まる使い方とは
コンタクトレンズは正しく使っていれば安全ですが、うっかりNG行動をしてしまうと病気のリスクが一気に高まります。特に、毎日のルーティンでついやってしまっている行動には注意が必要です。
▼目に負担をかけやすいNG習慣
- レンズをつけたまま寝てしまう
- 洗浄液を使い回している
- 使用期限が過ぎたレンズを使う
- 手を洗わずにレンズを扱う
- 合わないレンズを無理に使っている
こうした習慣を続けていると、目が知らないうちにダメージを受けていることもあります。ちょっとくらい大丈夫と思っていたことが、病気のきっかけになることもあるので、今の使い方を見直してみることが大切です。
コンタクトレンズが原因で起こる主な目の病気
コンタクトレンズが原因となる目の病気には、いくつか代表的なものがあります。それぞれ症状や原因、注意すべきポイントが異なりますので、早めの気づきと正しい対処が大切です。
ここでは、とくに注意しておきたい3つの病気を紹介します。
角膜炎|目のゴロゴロ感や充血がサイン
角膜炎(かくまくえん)は、コンタクトユーザーに比較的多く見られる病気です。レンズの汚れや長時間の装着、乾燥した状態での使用などが原因で、角膜に炎症が起こります。
▼角膜炎の主な症状
- 目がゴロゴロする
- 目が赤くなる
- 涙が止まらない
- 視界がかすんだり、見えづらくなることがある
- まぶしく感じる(光がしみる)
こうした症状が出た場合、無理にレンズを使い続けるのはNGです。角膜はとても繊細なので、炎症が悪化すると細菌感染を招くこともあります。
目に異変を感じたら、まずはレンズを外して様子を見ることが基本です。軽度のうちに対応すれば、回復も早く、日常生活への影響も最小限に抑えられます。
巨大乳頭結膜炎(GPC)|かゆみと違和感が長引くなら注意
巨大乳頭結膜炎(GPC)は、まぶたの裏側に小さなブツブツができてしまう病気です。レンズの長期使用や汚れの蓄積によって、アレルギー反応のような炎症が起こることが原因です。
▼GPCに見られる主な症状
- かゆみが続く
- レンズが動いてズレやすい
- 目やにが増える
- レンズが動いてズレやすくなる
- 異物感が消えない
GPCは慢性的になりやすく、一度かかると症状が長引くこともあります。かゆみや違和感が続く場合は、早めに眼科を受診し、レンズの使用を中止することが望ましいです。
特にソフトや長期使用型のレンズを使っている人は、清潔を保つ意識が重要になります。
角膜潰瘍|放置すると視力に大きな影響も
角膜潰瘍(かくまくかいよう)は、角膜に深い傷やただれができてしまう病気で、重症化すると視力が大きく落ちてしまうこともあります。
細菌感染が原因になることが多く、特に手入れ不足のレンズや不衛生な装着が引き金になります。
▼角膜潰瘍の代表的な症状
- 激しい目の痛み
- 目を開けていられない
- 白く濁ったような視界になる
- 光が極端にまぶしい
- まぶたが腫れる
症状が急激に進行することもあるため、少し様子を見ようと放っておくのはとても危険です。視力低下や失明のリスクがあるため、異常を感じたらすぐに医療機関を受診することが何よりも大切です。
特に、1日使い捨てレンズは1度外したら再使用せず、新しいレンズを使いましょう。
目の病気を防ぐための正しいレンズ習慣
コンタクトレンズを安全に使うためには、毎日のちょっとした習慣がとても大切です。目の病気を防ぐには、清潔なケア、正しい使用時間、そして自分に合ったレンズを選ぶことがポイントになります。
ここでは、今すぐ見直せる基本の使い方をご紹介します。
清潔を保つケア方法とNG行動
コンタクトレンズのトラブルの多くは、衛生面の不備から始まります。レンズをきれいに保っているつもりでも、実はうっかり不衛生になってしまっていることも。
基本的なケアを正しく行うだけでも、目の健康をしっかり守ることができます。
▼レンズケアでやってはいけないNG行動
- 手を洗わずにレンズを触る
- 洗浄液をつぎ足して使う
- レンズケースを洗わない
- 水道水でレンズをすすぐ(※)
- 古いレンズを無理に使い続ける
(※)ソフトレンズの場合
清潔さを保つコツは「ルールを守ること」と「毎日のひと手間を惜しまないこと」です。とくに洗浄液やケースは消耗品として考え、清潔第一で扱うようにしましょう。
適切な装着時間・交換サイクルを守ろう
コンタクトレンズには、1日あたりの装着時間や使用期限がきちんと決められています。それを超えて使ってしまうと、目が酸素不足になったり、レンズの表面に傷や汚れが蓄積して病気の原因になってしまうこともあります。
▼装着時間・交換サイクルの目安
レンズの種類 | 装着時間(1日) | 交換サイクル |
ワンデータイプ | 12〜16時間程度 | 毎日使い捨て |
2ウィークタイプ | 12〜16時間程度 | 2週間で交換 |
マンスリータイプ | 12〜16時間程度 | 1ヶ月で交換 |
目安を超えて使いたくなる日もあるかもしれませんが、それが目の病気に繋がってしまう可能性もあります。
自分のライフスタイルに合ったレンズを選んで、決められたスケジュールを守ることが、目を守る一番の近道です。
自分に合ったレンズを選ぶことが何より大切
コンタクトレンズは誰にでも合うわけではありません。目の形や乾きやすさ、装着感の好みなど、人によって適した種類が異なります。
無理に合わないレンズを使い続けると、目に負担がかかり、炎症や傷の原因になることも。
▼レンズ選びでチェックしたいポイント
- 長時間使っても乾きにくいか
- 着け心地に違和感がないか
- 目のカーブに合っているか(BC値)
- ライフスタイルに合っているか
- 医師にフィッティングしてもらったか
市販のレンズを自己判断で選ぶのではなく、眼科で検査を受けて処方されたものを使うことが安心です。目に優しいレンズ選びは、快適な視生活へとつながります。
症状が出たときの正しい対処法
コンタクトレンズを使っていて目に異変を感じたとき、すぐに正しい行動を取れるかどうかで、その後の経過が大きく変わります。「ちょっとした不調だから大丈夫」と思って放っておくと、取り返しのつかないことになることも。
ここでは、症状に気づいたときに取るべき対応や注意点についてご紹介します。
目の異変に気づいたらまずするべきこと
コンタクト装着中に「なんか変かも」と思ったら、まずやるべきなのはすぐにレンズを外すことです。痛みや違和感があるまま使い続けると、角膜がさらに傷ついてしまう可能性があります。
▼異変に気づいたときの基本対応
- すぐにレンズを外す
- 目をこすらない
- 洗浄液や水で無理に洗わない
- 市販の目薬を使わない
- できるだけ早く眼科を受診する
症状によっては自然に治ることもありますが、コンタクトレンズ使用者の場合は自己判断がかえってリスクを高めることも。まずは目を休めて、様子を見るだけでも悪化を防ぐ一歩になります。
自己判断せず、眼科を受診すべき理由
「目の不調=疲れ目」と思い込んでしまいがちですが、コンタクトユーザーの場合はそう単純ではありません。目の病気は初期症状がわかりづらく、進行が早いケースもあります。
▼眼科を受診すべき理由
- 専門的な機器で原因が特定できる
- 病気の早期発見・早期治療が可能
- そのまま使っていいかどうか判断してもらえる
- 市販薬では対応できない症状も多い
- 視力や角膜の状態を継続的に確認できる
たとえば、自己判断で目薬を使っても逆効果になることもあります。気になる症状が続くときは、ちょっと大げさかもと思っても、迷わずプロに相談する方が安心です。
放置は危険!症状別の注意点とは
目のトラブルは、進行してから気づくことも少なくありません。特にコンタクトレンズ使用中に現れる症状には、それぞれ注意すべきポイントがあります。
▼よくある症状と考えられるリスク
症状 | 注意すべきポイント |
ゴロゴロする | 角膜に傷や異物の可能性 |
視界がぼやける | レンズの汚れ・角膜の炎症 |
目が充血している | 血管の拡張や感染症のサイン |
強い痛みがある | 細菌感染や角膜潰瘍の恐れ |
かゆみが長引く | アレルギーや巨大乳頭結膜炎の疑い |
どの症状も、ちょっと様子を見ようで済ませてしまうと、症状が進みやすくなります。少しでも違和感があれば早めに対応することが、自分の視力を守ることにつながります。
まとめ
コンタクトレンズは、正しく使えば日々の生活を快適にしてくれる便利なアイテムですが、使い方を誤ると目の病気を引き起こす原因にもなります。角膜炎や巨大乳頭結膜炎、角膜潰瘍などは、どれも日常のちょっとした油断から起こりうるものです。
そのリスクを減らすには、毎日のレンズケアを丁寧に行い、決められた装着時間や交換スケジュールをきちんと守ることが基本です。また、自分の目に合ったレンズを使うことも忘れてはいけません。
そして何より大切なのは、目に異変を感じたときにすぐに適切な対処ができること。「少し様子を見よう」と判断する前に、一度立ち止まって、目を休める・眼科に相談するという選択肢を持つことが、あなたの大切な視力を守ることにつながります。
コンタクトレンズとの正しい付き合い方を知って、毎日を安心・快適に過ごしていきましょう。