コンタクトレンズをつけていると、「目が乾く」「ゴロゴロする」「夕方にはつらくなる」といった不快感に悩まされることはありませんか?
仕事や日常生活で手放せない存在だからこそ、こうしたちょっとした違和感が積み重なると、目の疲れや集中力の低下にもつながってしまいます。
本記事では、コンタクト装用中に目が乾いてしまう原因を丁寧にひも解きながら、今日からできる対策や快適なレンズの選び方、眼科受診の目安までをわかりやすく解説します。
コンタクトレンズで目が乾くのはなぜ?代表的な原因をチェック
コンタクトレンズを使っていて「目が乾く」と感じたことはありませんか?その原因はひとつではなく、レンズの素材や使用環境、目の状態などさまざまです。
ここでは、代表的な3つの原因について解説します。
レンズの種類や素材による乾燥の違いとは
コンタクトレンズの素材や含水率によって、目の乾きやすさは大きく異なります。特にソフトレンズは水分を含む素材が多いため、時間とともに乾燥しやすくなる傾向があります。
▼素材ごとの特徴と乾きやすさの傾向
レンズの種類 | 主な素材 | 乾きやすさの傾向 |
高含水ソフト | ハイドロゲル | 装着直後は潤うが乾きやすい |
低含水ソフト | ハイドロゲル | 吸水性が低く乾きにくい |
シリコーンハイドロゲル | シリコーン+ハイドロゲル | 酸素をよく通し乾きにくい |
ハード | 硬質プラスチック | 含水しないが異物感あり |
高含水タイプは装用感が柔らかく快適に感じやすいものの、水分を多く含む分だけ蒸発しやすく、長時間の使用には向いていません。乾燥を感じやすい人には、含水率が低いソフトレンズやシリコーン素材の製品が適しています。
目の乾きが気になる場合は、素材や設計の違いを意識してレンズを選ぶことが、日常の快適さにつながります。
スマホやPCの使いすぎが目を乾かす理由
スマホやパソコンを見ていると、まばたきの回数が無意識に減ることをご存じでしょうか?この小さな変化が、目の乾きに大きく影響しています。
▼画面使用時に目が乾きやすくなる主な要因
- まばたきが減って涙が均等に行き渡らない
- ディスプレイを見上げる姿勢で目が大きく開き乾きやすい
- 空調や風が直接当たることで涙が蒸発しやすい
特に集中して作業していると、1分間のまばたきが通常の半分以下になることもあります。まばたきが減ると涙が目の表面をうまく覆えず、乾燥が進んでしまうのです。
仕事や趣味で長時間画面を見ることが多い方は、こまめにまばたきを意識するだけでも目の潤いを保ちやすくなります。
実は隠れドライアイ?目の不調のサイン
「目が乾く」と感じているのに、目薬を使っても改善しないことはありませんか?それは、ドライアイという病気が関係しているかもしれません。
▼ドライアイが疑われる主なサイン
- ゴロゴロ・チクチクした異物感がある
- 目がかすんで見えにくい
- 涙が出ているのに乾いた感覚がある
- 光がまぶしく感じる
- 慢性的な充血がある
これらの症状は一時的な疲れ目と見分けがつきにくく、気づかないうちにドライアイが進行しているケースもあります。市販の目薬で対処しきれない場合は、無理に我慢せず専門医に相談することが重要です。
目の乾きが続くときは、体質や目の機能が原因の可能性もあることを知っておくと、早めの対処につながります。
コンタクト装用中にできる!目の乾きを防ぐ簡単な工夫と習慣
コンタクトレンズを快適に使い続けるには、日常のちょっとした工夫が欠かせません。目が乾きやすい人でも、装用中の行動や意識を変えることで症状を軽減できることがあります。
ここでは、日常生活で実践できる簡単な対策や習慣をご紹介します。
すぐ試せる!まばたき体操と目のストレッチ
目が乾いたと感じたとき、すぐにできるのがまばたき体操や目のストレッチです。これらは涙の分泌を促し、目の表面にうるおいを行き渡らせる効果があります。
▼目の乾きを和らげる簡単エクササイズ
方法 | 手順のポイント |
ゆっくりまばたき体操 | 3秒かけて目を閉じ、3秒かけてゆっくり開く×5回 |
強めのまばたき運動 | 少し力を入れてまばたきを10回繰り返す |
視線ストレッチ | 上・下・右・左に視線を動かし、各方向3秒キープ |
とくに長時間パソコン作業をしていると、まばたきの回数が減り、涙が蒸発しやすくなります。意識的にまばたきの回数を増やすことで、目のうるおいを保つ助けになります。
目の乾きを感じたら、目薬に頼る前にこのような体操を試してみるのもひとつの手です。
スマホやPC使用時に意識したい視線と姿勢のポイント
画面を見る時間が長いと、目の乾きを感じやすくなりますが、実はその視線の角度や姿勢も関係しています。少しの工夫で、乾燥の進行を防ぐことができます。
▼目の乾きを防ぐ視線と姿勢のポイント
- 画面は目線より少し下に配置する
- 顔から40〜50cmの距離をとる
- 背筋を伸ばし、あごを引いた姿勢を保つ
- 視線を画面に固定しすぎず、ときどき外す
上向きの視線は、目を大きく開いた状態が続くため涙の蒸発を促進してしまいます。一方、目線を下げた姿勢ではまぶたが自然に閉じやすくなり、乾きを抑えやすくなります。
画面の高さを少し調整するだけでも、目の負担は軽減されます。環境を整えることで、コンタクト装用時の乾きもコントロールしやすくなるでしょう。
コンタクトの装用時間とケアのルーティンを見直そう
コンタクトレンズを長時間装用すると、涙の蒸発やレンズの劣化が進み、目が乾きやすくなります。目の乾きを予防するには、装用時間の管理と正しいレンズケアが欠かせません。
▼乾きにくくするための装用とケアのポイント
- レンズの装用時間は1日12〜16時間を目安に
- 目が疲れたらこまめに外して休ませる
- レンズケースは毎日洗浄・乾燥する
- 洗浄液は種類ごとの使用方法を守る
- 週に1〜2回は「レンズを使わない日」を設ける
装着したまま寝てしまったり、1日中外さないといった使い方は、目にとって大きな負担になります。また、正しいケアを怠るとレンズに汚れが残り、乾燥だけでなくトラブルの原因にもなります。
習慣を少し見直すだけで、コンタクトレンズによる乾燥は軽減できます。目の快適さを保つためには、使い方を意識的に整えることが大切です。
ドライアイにおすすめのコンタクトレンズを徹底紹介
「目が乾きやすいけど、コンタクトは使いたい」——そんな方にとって、乾きにくいレンズを選ぶことはとても重要です。
ここでは、素材や設計の特徴、使用タイプ別の比較、さらに口コミ評価の高いおすすめ製品を紹介します。
乾きにくい!含水率や素材に注目したレンズ選び
ドライアイ対策には、レンズそのものの特性を見直すことが大切です。中でも注目すべきは「含水率」と「素材」の違い。これらの要素によって、レンズの乾きやすさは大きく左右されます。
▼素材と含水率による乾きにくさの目安
レンズ素材 | 特徴 | 乾きにくさの傾向 |
高含水ソフト(ハイドロゲル) | 水分を多く含むが蒸発もしやすい | やや乾きやすい |
低含水ソフト(ハイドロゲル) | 水分が少なく乾燥に強い | 比較的乾きにくい |
シリコーンハイドロゲル | 酸素をよく通し、涙を吸収しにくい素材 | 非常に乾きにくい |
とくにシリコーンハイドロゲルは、酸素透過性が高く、涙の水分を奪いにくいため、乾燥に悩む人にとっては強い味方です。従来のソフトレンズからシリコーンハイドロゲルに変えるだけで、装用感が改善されることもあります。
「目が乾きにくいレンズ」を選びたいときは、含水率の数字だけでなく、素材の特徴にも注目するのがポイントです。
ワンデーと2ウィーク、どっちが乾きにくい?
使い捨てレンズには「ワンデー」と「2ウィーク」などのタイプがありますが、どちらが乾きにくいかは気になるポイントですよね。それぞれに特長があり、ドライアイ対策としてはどちらにもメリットがあります。
▼ワンデーと2ウィークの比較表
項目 | ワンデー | 2ウィーク |
衛生面 | 常に新品で清潔 | 毎日の洗浄が必要 |
装用感 | 薄くて柔らかく快適 | やや厚みがあり安定感がある |
乾きにくさの傾向 | 汚れが蓄積しにくく乾きにくい | 長時間装用では乾きやすい場合も |
コスト面 | 高め | 比較的安価 |
ドライアイの方におすすめなのは、ワンデータイプです。レンズが毎回新しく、涙汚れやたんぱく質の蓄積もないため、乾燥感が出にくくなります。
ただし、使用時間やコストなどライフスタイルに合わせて選ぶことも大切です。長時間使用が多い場合は、素材にこだわった2ウィークを選ぶのも選択肢の一つです。
目が乾きにくいと話題の人気製品3選
目の乾きを感じやすい方にとって、レンズ選びは装用感を左右する大切なポイントです。ここでは、ドライアイ対策に配慮された設計や素材を採用している人気製品を3つご紹介します。
▼乾きにくさに配慮されたおすすめコンタクトレンズ
製品名 | タイプ | 主な特徴 |
アキュビュー オアシス | 2ウィーク | シリコーンハイドロゲル素材で酸素透過性が高く、うるおいをキープ |
デイリーズ トータルワン | ワンデー | 水分にグラデーションのある構造で、表面はたっぷり潤いがあり装用感がやわらか |
メニコン プレミオ | 2ウィーク | 含水率40%の低含水タイプで乾きにくく、長時間使用にも対応 |
それぞれ異なる素材や構造を採用しており、ドライアイ対策としてのアプローチも異なる点が特徴です。たとえば、アキュビュー オアシスは酸素透過性を重視した設計で目の負担を軽減し、デイリーズ トータルワンはうるおい保持を重視した独自の構造を採用しています。
製品の選択に迷ったら、まずは自分の装用時間や目の乾きやすさに合わせたタイプから試してみるのがおすすめです。ドライアイの症状に合わせた選び方が、装用時の快適さに直結します。
ドライアイが悪化しているかも?眼科を受診すべきサイン
コンタクトレンズの乾燥感が続く場合、それが一時的なものなのか、ドライアイとして治療が必要な状態なのかを見極めることが重要です。
ここでは、眼科を受診すべき具体的なサインや、診察で何がわかるのか、そして代表的な治療法についてご紹介します。
一時的な乾きではない場合の見極め方
「なんとなく目が乾く」と感じることは誰にでもありますが、その乾きが慢性的に続いている、または症状が強くなってきている場合は注意が必要です。
▼一時的な乾きと眼科受診を考えるべき状態の違い
状態 | 特徴 |
一時的な乾き | 長時間の作業後や空調下での軽度な違和感 |
受診を検討すべき状態 | 痛み・かすみ・ゴロゴロ感・光のまぶしさなどが続く |
とくに、まばたきや目薬で改善しない場合は、目の表面に傷がついている可能性もあります。さらに、目がかすむ、視界がぼやけるといった症状がある場合は、ドライアイだけでなく他の疾患が隠れていることも考えられます。
こうした症状が日常生活に支障をきたすようであれば、自己判断せず専門医に相談することが大切です。
自己判断の限界と眼科でできる検査内容
ドライアイかどうかを自己判断で正確に見極めるのは難しいものです。実際には、目の乾き以外にもさまざまな症状が混在しており、検査を通して原因を明確にすることが適切な対策に直結します。
▼眼科で行われる主な検査項目
検査名 | 内容 |
シルマー試験 | 涙の量を測定する紙テスト |
BUT(涙液層破壊時間) | 涙がどれくらい持続するかを測定 |
角膜・結膜の染色検査 | 目の表面の傷や炎症の有無をチェック |
これらの検査により、「涙の量が少ないタイプ」か「涙の質が悪いタイプ」かが分かり、適切な治療方針が立てられます。
ドライアイは一見シンプルな症状に見えても、原因は人それぞれです。的確な治療を受けるには、検査によって客観的な情報を得ることが不可欠です。
ドライアイ治療に使われる主な治療法とは
ドライアイと診断された場合、症状や原因に応じてさまざまな治療が行われます。点眼薬以外にも、涙の蒸発や排出を抑える方法など、多角的なアプローチが用意されています。
▼代表的なドライアイ治療法の例
治療法 | 特徴 |
人工涙液の点眼 | 涙の代わりとして潤いを補う |
涙点プラグ挿入 | 涙の出口に小さな栓をして、涙を目にとどめやすくする |
ヒアルロン酸系点眼薬 | 角膜の保護と潤い保持を目的とした処方薬 |
温めるケア | まぶたを温めて血行を良くし、涙の質もサポートする |
症状が軽度であれば、市販の目薬だけでも対処できますが、慢性化したり痛みが伴う場合は医療的な処置が必要になることもあります。
症状の程度に合わせて段階的に治療法を選ぶことで、無理なく日常生活の中で目の快適さを取り戻すことができます。
まとめ
コンタクトレンズを使用していると目が乾くと感じることは珍しくありませんが、その原因にはレンズの素材や使い方、生活習慣まで多くの要素が関係しています。特に乾燥しやすい環境や、まばたきの減少、長時間の装用など、日常の中にある小さな要因が積み重なることで症状が悪化することもあります。
日頃から目の状態を観察し、適切な素材のレンズを選んだり、使用時の工夫やケアを意識することで、目の乾きは大きく軽減できます。また、それでも改善しない場合や違和感が続く場合には、自己判断せず眼科で相談することが大切です。
無理なくできる対策を日々の中に取り入れながら、目にやさしいコンタクトライフを続けていきましょう。