「最近なんだか見えにくい」「夕方になると目が疲れる」――そんな違和感を抱えたまま、今のコンタクトレンズを使い続けていませんか?
視力は年齢や生活環境によって少しずつ変化するため、気づかないうちにレンズの度数が今の目に合わなくなっていることもあります。
この記事では、コンタクトレンズの度数変更に関する基礎知識から、見直すべきサイン、安全な変更のステップ、よくある疑問までをわかりやすく解説します。目の不調にモヤモヤを感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
そもそもコンタクトの度数変更ってどういうこと?
コンタクトを使っていると、時間が経つにつれて「なんとなく見えにくいな」「ちょっと疲れやすいかも」と感じることがありませんか?それは、今のコンタクトの度数が目に合わなくなってきているサインかもしれません。
でも、「そもそも度数って何?」「視力とどう違うの?」という基本があやふやなままだと、必要なタイミングで変更に気づけないことも。まずは、コンタクトレンズの度数変更の基礎知識について紹介します。
「視力」と「度数」はどう違う?混同しやすい用語をやさしく解説
視力と度数は、似ているようで実はまったく別のものです。どちらも「目の見え方」に関係していますが、それぞれ役割が違います。
▼視力と度数の違い
用語 | 意味 |
視力 | 実際にどれくらい見えるかを示す値(例:1.0、0.3など) |
度数 | 視力を矯正するために必要なレンズの強さ(例:-2.50Dなど) |
視力は「結果」、度数は「補うための手段」と考えるとイメージしやすいかもしれません。視力が低ければ、それに合わせた度数のレンズが必要になります。
コンタクトの度数はずっと同じじゃダメ?見直す理由を知っておこう
一度コンタクトを作ったら、そのままずっと使い続けている…そんな方も多いのではないでしょうか?でも、実はコンタクトの度数は、時間の経過とともに見直す必要があります。
▼度数を見直す主な理由
- 視力は年齢や生活習慣で変わる
- 目の疲れやすさに影響する
- 運転や夜間の見え方が悪化することがある
とくにスマホやパソコンを長時間使う人は、目のピント調整機能が乱れやすく、気づかないうちに度数がズレていることも。ずっと同じ度数で使い続けるのではなく、定期的なチェックが安心につながります。
メガネとコンタクト、同じ度数じゃないって本当?その理由を解説
メガネとコンタクト、どちらも視力を補う道具ですが、実は同じ度数にはならないことが多いです。
▼メガネとコンタクトの度数が違う理由
項目 | メガネ | コンタクト |
目との距離 | 約12mm離れている | 目に直接つける |
必要な度数 | 少し強めが多い | やや弱めになることが多い |
この「距離の違い」によって、光の屈折のされ方が変わるため、見え方も微妙に違ってきます。そのため、同じ視力を得るためでも、度数が異なる処方になるのが一般的です。
もしかして度数が合ってないかも?見直しを考える3つのサイン
コンタクトレンズは、一度処方されたものを長く使い続けてしまいがちです。日々の生活のなかで「見え方」や「装着感」が変わってきたと感じたことはありませんか?
ここでは、そんなサインを見逃さないためのポイントを3つご紹介します。
見えにくい・ぼやける…それ、度数ズレかも
以前よりも遠くのものが見えづらくなった、近くの文字が読みづらくなった、そんな変化を感じることはありませんか?それは、コンタクトの度数が目の状態に合わなくなっている兆しかもしれません。
▼こんな症状があれば見直しのサイン
- 看板や標識の文字が読みにくい
- ピントを合わせるのに時間がかかる
- 近くを見るときだけ見えづらさを感じる
視界のぼやけは、視力の低下だけでなく、ピント調整機能の変化によるものもあります。とくにスマートフォンの使用時間が長い人は、無意識のうちに目の疲労が蓄積され、ピント合わせが苦手になっていることも。
今まで問題なかった距離が急に見えづらく感じたら、それは度数がズレているサイン。無理に我慢せず、眼科でのチェックを検討しましょう。
慢性的な疲れ目や頭痛が出てきたら要注意
仕事や日常生活のなかで、目の疲れや頭痛が以前よりも増えたと感じることはありませんか?度数が合わないコンタクトを使い続けていると、目に余計な負担がかかり、体調にも影響が出ることがあります。
▼度数ズレによる体への影響
- パソコン作業中に目が重たく感じる
- 日中に頭痛が起こることが増えた
- 夕方になると目の奥がズキズキする
合わない度数で目が頑張りすぎると、知らず知らずのうちに疲労が蓄積されていきます。とくに長時間のデスクワークや集中作業をする人は、コンタクトのわずかな度数ズレが大きな負担になることもあるため、注意しましょう。
フィットしない、違和感がある…それは目からのSOSかも
「コンタクトがズレる」「ゴロゴロする」「なんとなく装着感が気になる」など、物理的な違和感を感じることも、度数の合わなさが影響している場合があります。
▼装着感に関するサイン
- レンズがずれやすい
- 瞬きをすると違和感がある
- 長時間つけていると目が乾きやすい
もちろん、素材やカーブ(BC値)など他の要素も関係しますが、度数が合っていないことでレンズが目にフィットしにくくなるケースもあるのです。
違和感をそのままにしておくと、角膜に傷がついたり、眼精疲労の原因になったりすることも。装着感がしっくりこないと感じたら、度数も含めて見直してみるとよいでしょう。
度数を変更したいとき、どうすればいい?安全な方法を紹介
コンタクトの度数が合わないと感じたとき、どうすればよいのでしょうか?
見えにくさや違和感があるからといって、自己判断で度数を変えるのは避けたいところです。安全に見直すためには、適切なステップを踏むことが大切です。
ここでは、度数変更の流れと注意点について紹介します。
まずは眼科で相談を!検査の流れと受診時のポイント
コンタクトの度数を見直すときは、まず眼科での検査を受けるのが基本です。自己判断では見落としてしまうような目のトラブルや、細かい視力の変化をプロの視点でチェックしてもらえます。
▼眼科での主な検査の流れ
- 問診(見え方の変化や生活スタイルの確認)
- 視力検査(裸眼・矯正後の視力を測定)
- 屈折検査(近視・遠視・乱視の度合いを測定)
- 必要に応じて眼圧や角膜の状態などのチェック
このように、眼科では単に「見える・見えない」を確認するだけでなく、目の健康全体を診てもらえるのが大きなメリットです。
とくに初めてコンタクトを使う方や、前回の受診から1年以上経っている方は、検査の精度を重視するためにも専門機関の受診をおすすめします。
どれくらいの頻度で度数を見直せばいい?
「見えにくくなってきた」と感じるまでは、つい今の度数を使い続けてしまいがちですよね。でも、視力や目の状態は少しずつ変わっていくため、定期的なチェックが必要です。
▼度数の見直しがおすすめなタイミング
- 3ヶ月に1回の定期検査(※)
- 見え方に違和感を覚えたとき
- メガネ・コンタクトを新調するタイミング
(※)特に問題がない場合でも、3ヶ月ごとの受診が推奨されています
とくにスマホやパソコンの長時間使用は若年層にも一時的な「スマホ老眼」と呼ばれるピント調節機能の乱れを生じやすいですが、加齢による老眼は一般的に40〜45歳頃から始まり、早ければ30代後半から症状が現れます。
また、度数だけでなく、目の乾燥や疲れやすさなど、見え方以外の変化にも注意しておくと良いでしょう。視界の快適さは、目のコンディションによって大きく変わります。
自己判断で変えるのはNG?処方箋の重要性を知ろう
ネット通販やドラッグストアで手軽に購入できるコンタクトレンズ。だからといって、「なんとなく見えにくいから、前より少し強めの度数に変えてみよう」と自己判断で度数を変えるのはとても危険です。
▼自己判断で度数を変更するリスク
- 過矯正による視力の低下や眼精疲労
- 目に合わないレンズで角膜に傷がつくリスク
- 本来の視力変化を見逃してしまう可能性
処方箋があることで、医師によって適切な度数が確認されているという安心感があります。
最近では、オンラインで処方箋を提出する販売サイトも増えてきましたが、自己申告だけで購入できるケースも多く、注意が必要です。また、自己判断で度数を変えてしまうと、後々「どのレンズが合っていたのか」が分からなくなってしまうことも。
コンタクトレンズは高度管理医療機器ですが、購入時の処方箋提出は法的に必須ではありません。ただし、安全な使用のためには必ず眼科で診察・検査を受け、処方を受けることが強く推奨されていることを知っておきましょう。
これってどうなの?コンタクトの度数変更Q&A
コンタクトレンズの度数変更について、なんとなく気になってはいるけれど、「誰に聞けばいいかわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、コンタクトの度数変更に関するよくある疑問を3つピックアップし、わかりやすくお答えします。
度数が合わないまま使ってるとどうなる?
「ちょっと見えづらいけど、まぁ大丈夫かな」と思ってそのまま使い続けていませんか?
実は、合わない度数のコンタクトをつけ続けると、視力だけでなく体にもさまざまな影響が出てしまうことがあります。
▼合っていない度数による主な影響
- 眼精疲労や慢性的な肩こり
- ピント調整力の低下
- 頭痛やめまいなどの不調
度数が合っていない状態では、目が常にピントを合わせようと余計な力を使っています。この状態が続くと、目の筋肉や神経に負担がかかり、結果的に視力の低下を早める可能性もあるのです。
また、無理に見ようとすることで、姿勢が崩れたり、日常生活での集中力が落ちたりすることも。そんなときは見えにくさを我慢せず、早めに専門医に相談するようにしましょう。
老眼の始まりとコンタクトの度数、どう向き合う?
「最近、手元の文字がぼやけて見えにくい」そう感じ始めたら、老眼のサインかもしれません。40代前後から少しずつ進行する老眼は、コンタクトユーザーにとっても避けては通れない問題です。
▼老眼が始まったときに起きやすい変化
- スマホや本を読むとき、手元から離して見る
- ピントの切り替えが遅くなる
- 今までのコンタクトで手元が見えづらくなる
老眼が進行しても、近視用のコンタクトを使い続けていると、近くの見えにくさがストレスになることも。その場合は、以下のような対応策があります。
▼老眼に合わせた選択肢(一例)
対応方法 | 内容 |
遠近両用コンタクト | 遠くも近くも見やすい設計のレンズ |
近視度数をやや弱めに調整 | 手元を見やすくする工夫 |
必要に応じて老眼鏡を併用 | 手元の作業時のみ使う方法 |
無理に老眼を「我慢」するのではなく、自分のライフスタイルや見え方の優先度に合わせて調整するのがポイントです。年齢に応じた選択肢を知っておくことで、見え方のストレスを軽減できます。
ネットで買ってるけど、度数ってどうやって更新すればいいの?
オンラインでコンタクトレンズを購入している方も多いと思いますが、「前と同じ度数を選べばいいよね」と思っていませんか?実際には、度数の更新や見直しは、定期的に必要です。
▼ネット購入時に見直しが必要な理由
- 視力は少しずつ変化するため
- 目の乾燥や疲れやすさなど、見え方に影響が出るため
- 古い処方のままだと、安全性に問題が出る可能性もあるため
最近は、処方箋の提出を求める販売サイトも増えており、これによりより安全な購入がしやすくなっています。もし処方箋が手元にない場合でも、眼科を受診すればすぐに再発行が可能です。
「ネットで買ってるから眼科には行っていない」という方も、3ヶ月に1回は検査を受け、正しい度数を把握するようにしましょう。
まとめ
コンタクトレンズの度数は、一度決めたらずっと同じでよいというものではありません。視力や目の状態は年齢や生活習慣によって変化するため、定期的な見直しが必要です。
見えにくさや目の疲れを感じたときは、まずは眼科で検査を受けることが大切。自己判断での度数変更は、かえって目に負担をかけてしまうこともあります。
また、老眼やネット購入といったライフスタイルの変化にも、柔軟に対応していくことが快適な視界を保つポイントです。自分の目ときちんと向き合いながら、その時々に合った度数を選んでいきましょう。