プールに入るとき、「コンタクトはつけたままで大丈夫かな?」と不安に思ったことはありませんか。視力が悪い人にとって、泳ぐときに何も見えないのは不便ですが、実はコンタクトを装用したままプールに入るのは大きなリスクがあります。
この記事では、「なぜコンタクトとプールは相性が悪いのか」という理由から、安全に視力を確保するための代替手段、そしてもし使ってしまった場合の注意点までをわかりやすく解説します。
コンタクトをつけたままプールは危険!その理由とは
プールでコンタクトを使用すると、目の健康や安全に大きな影響を及ぼす可能性があります。ここでは代表的な理由を3つの視点から確認していきましょう。
プールの水とコンタクトは相性が悪い
プール水には塩素や微生物が含まれており、レンズに付着しやすいのが特徴です。ソフトコンタクトは特に水を吸収しやすく、装用感や透明度が変化してしまいます。
▼プール水とコンタクトの悪影響
- レンズが変形して装用感が悪化する
- 微生物が付着して目に刺激を与える
- 水を吸収して視界が不安定になる
一見きれいに見えるプールの水でも、コンタクトにとっては劣悪な環境です。だからこそ「つけたまま入らない」というのが大前提になります。
感染症や角膜トラブルのリスク
プール水を介して侵入する細菌やアメーバは、コンタクトを装用していることで目にとどまりやすくなります。これが感染や炎症の大きな要因です。
▼起こりやすい目のトラブル
- アカントアメーバ角膜炎など重症感染症
- 塩素や細菌による角膜炎・結膜炎
- 赤みやかゆみなど慢性的な炎症
目の表面を守る角膜は非常にデリケートで、一度トラブルが起こると回復に時間がかかります。プールでのコンタクト使用が医学的に強く避けられているのは、このリスクがあるからです。
視界の悪化やレンズ紛失の可能性
水中ではレンズがずれたり外れたりしやすく、片目だけ見えなくなるとバランスを崩す危険もあります。また、水を吸ったレンズは曇りやすく、思ったほど視界が確保できません。
▼プールで起こりやすい視界トラブル
- レンズが外れて紛失する
- 曇りやすく視界が不安定になる
- 片目だけ見えにくくなり泳ぎづらい
「見えやすくするためにつけたのに、かえって不便になる」――これがプールでのコンタクト使用の実情です。
プールでコンタクトを使うと起こりがちなトラブル
プールでコンタクトをつけると、思わぬ不具合や不快感に悩まされることがあります。ここでは実際に起こりやすいトラブルを3つ取り上げて見ていきましょう。
レンズが外れて探せなくなることも
水中では水圧や瞬きの影響で、レンズが外れてしまうことがあります。プールの水は透明に見えても実際に外れたレンズを探すのは困難で、そのまま紛失するケースが多いのです。
▼レンズ紛失が起きやすい場面
- 水中で勢いよく潜ったとき
- 目をこすってしまったとき
- 水圧でレンズがずれたとき
一度外れたレンズはほぼ戻ってこないため、金銭的な損失だけでなく、泳いでいる最中に片目だけ見えにくくなる危険も伴います。
目のかゆみや赤みが長引くリスク
プールの塩素や微生物は、コンタクトに付着すると目に直接刺激を与えます。その結果、かゆみや充血が長引きやすく、目の疲労感を強める要因になります。
▼かゆみや赤みが起こりやすい原因
- 塩素による刺激が残る
- 微生物がレンズ表面に付着する
- レンズが乾燥して角膜を傷つける
「ちょっと充血しただけ」と軽く考えると、炎症が慢性化する場合もあります。快適に泳ぐつもりが、かえって目の不調を長引かせることにつながりかねません。
プール後に視界がぼやける原因
プールで使ったコンタクトは水を吸収して膨張し、形が変わってしまいます。その結果、装用直後から視界がぼやけたり、曇ったように見えることがあります。
▼視界がぼやけるときの背景
- レンズが水を含んで膨張する
- レンズ表面に汚れが付着する
- 装用感が変化し透明度が落ちる
一時的な見えにくさにとどまらず、長時間ぼやけが続けば生活に支障をきたすこともあります。つまり、プール後の「見えづらさ」も大きなデメリットのひとつなのです。
プールで見えにくいときに安心できる代わりの方法
「コンタクトをつけたまま泳ぐのは危険」とわかっていても、見えにくい状態では不安を感じる方も多いでしょう。そんなときに役立つ、安全で現実的な方法を3つ紹介します。
度付きゴーグルで視界を確保する
プールでの視力確保には、度付きゴーグルが最もおすすめです。度入りレンズを使用しているため、コンタクトに頼らずに水中でもはっきり見えるのが特徴です。
▼度付きゴーグルのメリット
- 水中でもクリアな視界を確保できる
- コンタクトの感染リスクを避けられる
- 繰り返し使えるので経済的
市販品は手軽に購入でき、度数のバリエーションも用意されています(※)。コンタクトの代替手段として、もっとも現実的で安心できる方法といえるでしょう。
※一般的には-1.5から-8.0程度まで対応
プールサイドや休憩時は眼鏡を活用
泳いでいる最中は度付きゴーグルを使用し、プールサイドでは眼鏡を使うという組み合わせも便利です。無理に水中で視力を確保しなくても、移動や人との会話で支障が出にくくなります。
▼眼鏡を活用するシーン
- プールサイドで友人と会話するとき
- 休憩中に周囲を確認するとき
- 更衣室や館内で移動するとき
「泳ぐときは見えなくても問題ない」という人には、眼鏡の活用で十分に快適さを保つことが可能です。視力矯正を必要としない場面を割り切る工夫ともいえるでしょう。
レーシックやICLなどの視力矯正手術
プールでの視力問題を根本から解決する方法として、視力矯正手術があります。代表的なのはレーシックとICLで、それぞれ特徴が異なります。
▼代表的な視力矯正手術
手術名 | 特徴 | 向いている人 |
レーシック | 角膜表面にレーザーを照射してフラップを作成し、角膜実質層を削って屈折を矯正する | 角膜が十分に厚い人 |
ICL | 虹彩の裏側(水晶体の前面)に小さなレンズを挿入する | 強度近視や角膜が薄い人 |
どちらも裸眼での生活を可能にし、プールでも安全に泳げるようになります。ただし、費用や適応条件があるため、眼科での相談が必須です。長期的なライフスタイル改善を望む人に有効な選択肢といえるでしょう。
NGだけど…もしコンタクトをつけてしまった場合の注意点
プールでのコンタクト使用は基本的にNGです。しかし「つい使ってしまった」という人もいるかもしれません。その場合に覚えておきたい注意点を3つにまとめました。
水に触れたコンタクトは再利用しない
プール水に触れたコンタクトは、見た目に問題がなくても再利用は避けるべきです。レンズには微生物や汚れが残りやすく、消毒しても完全に除去できるとは限りません。
▼再利用を避けるべき理由
- 微生物が残り感染リスクが高まる
- レンズが変形して装用感が悪化する
- 見え方が安定せず不快感が続く
ワンデータイプなら即廃棄が正解です。2週間や1か月タイプであっても、衛生面を優先して処分することが目を守る最善策です。
違和感があるときに自己判断は危険
プール後に目のかゆみや赤みを感じても、市販の目薬で済ませるのは危険です。自己処置で一時的に改善したように見えても、根本的な原因が残っている可能性があります。
▼自己判断で避けたい行動
- 目薬だけで済ませる
- レンズをそのまま再装用する
- 症状が軽いからと放置する
症状が軽くても悪化することがあるため、安易な判断は控えた方が安心です。特に痛みや充血が続くときは注意が必要です。
眼科を受診すべき症状の目安
プール後の目の異変が続く場合は、できるだけ早く眼科を受診することが大切です。早期に適切な治療を受ければ重症化を防げます。
▼眼科を受診すべき症状
- 強い充血が数日以上続く
- 目の痛みやしみる感覚がある
- 視界がかすんだりぼやけたりする
これらの症状は単なる疲れ目ではなく、感染や炎症のサインかもしれません。放置すると視力に影響を及ぼすこともあるため、迷わず受診することが目の健康を守る第一歩です。
まとめ
コンタクトをつけたままプールに入るのは、感染症や視界不良、レンズ紛失といったリスクが大きく、基本的に避けるべき行為です。どうしても視力矯正が必要な場合は、度付きゴーグルや眼鏡を使うことで安全に対応できます。もし誤ってコンタクトを使用してしまったときには、再利用を避け、症状がある場合は自己判断せず眼科を受診することが大切です。プールを安心して楽しむためには、何よりも「目の健康を最優先にすること」が欠かせません。